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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜18:00-18:30(本放送)ほか、土曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.490~廖修平先生(台湾取材旅行)】
 
 恒例の台日友好特番(12月29日放送予定/1時間番組)取材の為、先週5日ほど台北をメインにした台湾取材旅行に行ってきた。例のごとくの貧乏取材旅行で苦労の連続だったが、これを余り書くと担当のO局長にまた赤貧ツアー話ですか...と、厭味を言われそうなので今回は止めにしておくが、もう少しオールドボーイに相応しいツアーを実現したいものである。ただ全部が全部辛かったと言うことでも無く、今回の収穫は台湾到着の初日にこれまで待ち望んでいた温泉ホテルに泊まれたこと、更に台湾観光局や取材先の全面協力などもあって、リスナープレゼントもこれまでにない豪華なものになったことなどである。今回のプレゼントは台湾熊の大きなぬいぐるみや台湾銘茶等々豪華絢爛、是非皆様も実際のオンエアーをお聴きになり、プレゼント応募されれば...どうですか...。
 
 
 さてその温泉だが、これはかつて一度取材で訪れたことのある宜蘭県にある礁渓温泉。台北から列車で1時間半ほど、車で行けば雪山トンネルと言う長いトンネルを抜けて1時間弱、かなり近い所にある台湾を代表する温泉地の一つ。10年ほど前に訪れた時は、鄙びた温泉地と言う感じで立ち寄り湯に入っただけだったが、今は様変わりですよ...と言った観光局のお偉いさんの話通りに、華やかで賑やかな温泉街に変貌していた。駅を降りるとすぐに温泉街で、山間地が多い台湾の温泉としては至極便利で、台北から日帰りの客も多いと言う。ホテルの数も数倍に増えている様でかつては豊富な温泉量を誇っていたが、
今は乱立気味で温泉としてはいささか魅力薄(なんと言っても台湾では湯量が勝負だけに...)ではあるが、そこは台湾を代表する温泉の一つだけにそれなりに愉しむことは出来た。ホテルは日式(日本風)が売りでフロントも法被姿の女性が担当と、かなり日本温泉を意識している。大浴場はイマイチだったがそれぞれの部屋に温泉が引かれており、個室で温泉を愉しめるところはグッドそのもの。スタッフ一同(と言っても3名)も大満足だった。

 
しかしその温泉訪問以上に今回の取材での感激は、廖修平先生のアトリエを訪問出来たこと。廖さんは台湾を代表する美術家(文化勲章に相当する賞も受賞)にして、アジア有数の版画家でもある。日本の東京教育大(現筑波大)に留学、その後NY、パリと修行を続け、台湾に戻り実作を続けている版画家で、現在80代半ば。廖家は台北の代表的ホテル「福家大飯店/ハワードホテル」の支配家と言う名門で、彼はそこの4男坊。今なお創造力旺盛で現役バリバリ。数年前に国立美術館での大回顧展も素晴らしいものだった。

 この廖さんと知り合ったのは10年以上前、本当にひょんな切っ掛けからだった。当時台湾代表部の中にあった文化センター(台湾文化を紹介するセンター)で新特番について所長と打合せを終えた時、壁に掛けられた素晴らしい版画(廖先生の代表作の一つ、家具や道具と漢字を組み合わせたタイポグラフィー風大作)に目が行った。同行のコーディネイターM女史もその作品に感服。異口同音に素晴らしさを称賛したところ、廖修平と言う台湾きっての美術家・版画家で、丁度いま東京の代表部(大使館)にいるから紹介するよと言うことになり、即席のインタビューを敢行。そこで親しくなり、その後も台北を訪れるたびに、総統府にほど近いまさにロフト風なそのアトリエを訪れていたのだが、6年ほど前にそこが取り壊されてしまい、以降は残念なことに新たに作られたアトリエを訪れる機会は無かった。それが今回歓談の後でアトリエに連れて行ってくれることとなり、ぼくもM女史も大感激。新しいアトリエはビルの一室をそのままアトリエに改造したもので、その新作過程も伺え、代表作も何点か展示されているまさに感激の場所。帰りには彼の全作品を収録した豪華画集などもプレゼントしてもらい、またまた大感激。

 
この台湾紹介特番の継続動機の一つが、廖先生の作品やその存在の素晴らしさを、日本のリスナーに紹介すること...と言っても過言でない程、ぼくもM女史も先生に入れ込んでいる。今回も特番では彼のアジア美術論が登場するはずだが、どうにかして先生の大回顧展を東京の美術館で実現したいものとも思っている。それ程に素晴らしい美術家・版画家なのです。廖修平先生は...

【今週の番組ゲスト:ベーシストでエンジニアでプロデューサーの塩田哲嗣さん】
今年8月8日に誕生した新しいレーベル
『Steelpan Records』を主宰

M1「Gravity / Bei Xu」
M2「Minor Blues / 1969 Quintet」
M3「What I did for Love / 岡まゆみ」
M4「I Love You / Bei Xu」


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