「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.767~新宿ピットイン~】
「新宿ピットイン」と言えば、日本のモダンジャズ=Jジャズの歴史を象徴するライブハウスで、日本人のジャズメン&ウイーメン達ならば一度は経験しないとならない、まさに華のメインステージでもある。出来たのはJジャズ創世紀の1965年。まだ慶応大の学生だった(?)佐藤良武氏が新宿伊勢丹の裏に作ったライブハウスで、貞夫さんのグループや山下洋輔トリオ、日野皓正クインテット等々、錚々たるグループが連日このステージで熱演を繰り広げた。ぼくも局に入りたての頃は本当によく通ったし、チャンジー(爺さん)で出不精の最近こそ大分少なくなったが、それでもちょくちょくライブ鑑賞に出掛けてはいる。
このピットイン、何故わざわざ新宿という名称を付けるかと言うと、30年ほど前まで、六本木にも同系列の姉妹店「六本木ピットイン」があったからに他ならない。だがそれも大分以前の話で今はただピットインで通じるのだが、なにか新宿と付くとわが町の我がライブハウスと言ったイメージになるから不思議なもの。そしてここのステージは、昼と夜の2部に分かれており、昼は若手や中堅、夜は第一線で活躍する面々と言った感じ...。やはりこのステージに立つのは若手にとっては憧れだし、中堅以上は自身のジャズプレーヤーとしての存在証明の様なものでもある。ぼく自身も長い間客席から眺めていたこのピットインのステージ、ひょんなことから先日ジャズトークイベントの出席者としてここに立つことになった。まあ永年ジャズに関わってきた者としては、やはり嬉しい限りである。
昨年夏の終わり頃、新宿ピットインの名物マネージャー、品川之朗氏からTELがあり、来年1月に新宿区の文化財団の主催でべーシストのチンさん=鈴木良雄を囲む、4人ほどのジャズトークイベントの企画があり、それのコメンテーターとして小西さんにも是非出席して欲しいという要請...。まあ鈴木チンからの頼みだし、ソニー・エンターテインメントのジャズ部門を実質立ち上げた、古くからの知り合い「きよし」こと伊藤潔も一緒だし...という訳で、喜んで...と品川氏に承諾の返事をした。このトーク・イベントは、新宿文化センターが主催して毎年行っているジャズイベントで、いつもは文化センターのホールで行っているのだが、現在文化センターは改装中なのでジャズの本場「ピットイン」で代わりに実施...と言うものらしい。タイトルは「巨匠は語る...、鈴木良雄のジャズ街道」といったいささか仰々しいものだが、トークセッションにチンとピアノのハクエイ・キムのデュオ演奏も挿入するという、2時間半ほどのイベント企画。こうしたジャズトークイベントは、ぼく自身がメインになる中野区や国分寺市などこれまでも幾つかあり、慣れてはいるのだがそれが肝心の新宿ピットインでの有料開催...となると、いささか勝手が違いそれなりの緊張もある。
...という事で1月のさる土曜日の午後、新宿ピットインの楽屋に着くと、もう主役のチンさんとハクエイはリハーサルの最中。楽屋で潔とバカ話をしながら時間を潰すことおよそ1時間半ほど。リハを終えたチンやハクエイも加わり一応トークイベントの流れを再確認し、午後2時にステージに向かう。客席は暗くてステージからは良く見えないのだが、品川氏によると60人弱の集客で超満員かつ大盛況、いつものライブ以上の盛り上がりとのこと。そうなればこちらも景気づけに軽く一杯を入れ、ステージに...。後は1時間半ほど彼の大学時代やNY修行時代について、ぼくと新宿Jのマスターだったバードマン幸田くんが語り、潔が彼のレコーディングや貞夫さんとの絡みなど、かなり好き勝手な話を4人で続けた。どうやら客席もかなりな盛り上がり具合で、主催の新宿区や文化センターの担当の方達も満足気、全て目出度し々!
まあ殿堂でのトークそれなりに緊張はしたが、ある種ぼくにも憧れでもあった新宿ピットインのステージ、それなりに愉しくも意義深いジャズトークセッションでした。
【今週の番組ゲスト:ジャズピアニスト&作編曲家の鈴木瑶子(ようこ)さん】
1stアルバム「Paths Intertwined」から
M1「Seek」
M2「Tricolored Bubbles」
M3「Paths Intertwined」
M4「TOWARDS」




