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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.239~国府弘子~】

 このコラムでこれまでも書いて来たが、我がジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」は、そのスタート以来50余年。恐らく世界でも最長寿のジャズ番組だし、音楽番組としても民放ラジオでは最も長い部類に入るはずである。その上長い間ゲストに対して出演料ナシで番組を続けてきたこと(=スポンサが存在した短い期間には当然お支払していましたが...)で、これには担当のぼく自身も恥ずかしながら本当に驚いている。まあ番組スタート以来50余年、ぼくが担当して既に40数年。それだけに本邦ミュージシャンは、若手や地方在住の人などを除けばほとんどが一度は番組に顔を出しているはずだが、例外もある。その一人が我が国を代表するサダオさんこと渡部貞夫大師匠。サダオさんは学生のころから良く知っており、大学のクラブ仲間の鈴木良雄や後輩の増尾好秋が、サダオさんのグループに抜擢され、ジャズ特番などを制作したこともあるのだが、レギュラー番組の出演は皆無。これも出演料が関係しており、今は亡きサダオさんの奥さんから「出演料無しの番組なんかにサダオは出させないわよ...」とキツイお達しで、どう言う訳かこのお達しが現在まで続いていると言う次第。今ではサダオさんだけ出ていない番組と言うのも、一つの売りにしている訳なのだが...。

 そしてもう一人、女性ジャズメンとしてかなりな売れっ子にして有名人、国府弘子さんもどうした訳かこれまで登場していないのである。彼女は昔から縁が深く、デビュー時からと言うよりも彼女をプロに導いたディレクター、今はアメリカLA在住のフリーディレクターの田口氏が古くからのジャズ仲間の一人。それだけにデビュー時から彼女を番組に連れてくると言いながらも、一度として実現しないまま今日に至ってしまい、肝心の田口君はLAに移住、縁も薄くなってしまった。それだけに一度は...と思っていたのだが、番組パーソナリティーの山本嬢が彼女のマネージャーと知り合いであることや、今回8年振りにニューアルバム、それも初めてのソロアルバムを出すと言う事で、ビクターの担当からも声が掛り、国府さんの番組出演がそれこそ数十年かけて決定したのである。

 8年振りのソロアルバムは『ピアノ一丁!』。飛び切りの美女ながらも男勝りの気質の持ち主、国府弘子ならではの威勢の良いタイトルだが、中身は極上の音色のソロアルバム。ラテンジャズの名手、松岡直也さんや世話になった自身の調律師など、最近亡くなった方へのオード作品や、自身の大病の経験を踏まえたミュージックセラピー作品、そして大好きなビートルズナンバー等多岐に渡っており、彼女の想いが滲み出た好作品に仕上がっている。番組では大病(癌)にかかっての自身の苦悩などもかなり率直に語ってくれており、中々に深イイ内容の番組になった。番組収録を終えたあとLAの田口氏へ送ると言うので、2人で記念写真を撮ったのだが、果して皮肉屋の彼が喜んでくれるか...。彼女は終始楽しそうでこの番組登場を再び愉しみにしているとも語ってくれたが、30日から始まるアルバム発売ライブコンサートの成功、ぼくも心から応援したいと思っています。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストでコンポーザー、アレンジャーの国府弘子さん】
M1「ピアノ一丁!のテーマ」
M2「You Tune My Heart」
M3「So In Love」
M4「Success Moon Dance」
M5「Cosmos Avenue」

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