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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.445~女流ジャズピアニスト&オルガン奏者登場】 

 ジャズピアニストでオルガン奏者が今回のゲストなどと書くと「なんだ特に目新しくもないじゃないの...」等とお叱りを受けてしまいそうで、確かにジャズオルガン奏者の中にはピアノも巧みに弾きこなす、と言うよりもオルガン奏者は殆どがピアノも巧いと言うことでもある。その代表格は女性のシャーリー・スコットあたりだろうが、その他の有名オルガン奏者もピアノアルバムを出しているケースも多く、殆どは両刀使いでもある。ただしこのオルガンがジャズなどで使われるハモンドオルガンではなく、教会やコンサートホールなどに置かれている本格的なパイプオルガンとなると、話は全く異なって来る。巨大な楽器とも言えるパイプオルガンは、教会の中に置かれることも多く、数多くのパイプをペダルで鳴らし荘厳な教会音楽を奏で上げ、ジャズとはおよそ正反対な性格のもの。この全く異なる性質の楽器(鍵盤楽器とでは一致しているが...)を、その両方を巧みにこなす奏者がいるとは思えなかったのだが、意外にぼくの近くにいたのである。

 
ジャズピアニスト岩崎良子=パイプオルガン奏者小野田良子さんである。ジャズとクラシックで名前を使い分ける彼女、実は我が早稲田ジャズ研の一世代下の後輩で、その存在についてはつい最近知ったところ。昨年秋にジャズ研の総会が新橋のジャズクラブであり、偶然席がすぐそばで初めてちゃんとした形で話をしたのだが、おばさんながら(失礼)仲々にチャーミングな女性。ピアニストとしてユニークな個性の持ち主とは知っていたが、パイプオルガン奏者だとはつゆ知らなかった。元々この大型楽器を備えているのは殆どが教会だけなのだが、コンサートホールなどにも置かれている所もある。それだけに実際に演奏する場所が余り無いのでは...と思ったが、彼女は聖路加国際病院のパイプオルガン奏者としてボランティアでもう10年以上働いているのだと言う。

 彼女のジャズアルバムそしてパイプオルガンのアルバムを送ってもらって家で聞いてみると、これが中々に面白い。と言うことでゲストとしてスタジオに遊びに来てもらうことにした。ピアニストとしてはギター(スパニッシュ&フラメンコ)とパーカッションによるちょっと変則的なトリオで活動することも多く、『ラ・カメリア』『ジプシーの風に吹かれて』等と言ったアルバムタイトルからも分かるとおり、スペインなど意イベリア半島系の情熱的音楽を愛するひとのようである。またパイプオルガン奏者としてはカザルスホールでオルガンとピアノを掛け持ち(両方の間を駆けずりまわって演奏した、大変な作業だった様だが...)するアルバムも出しており、
どうしてピアノとパイプオルガンを両立させようと思ったか...、パイプオルガン演奏の難しさ、愉しさ等など、様々な興味深い話を番組ではしてもらっている。
 今やクラシックの伝説的大家になった感のあるフジコ・ヘミングは、一時聖路加国際病院でパイプオルガン奏者の同僚として彼女と共に演奏しており、「可憐な花がささやいている様な演奏に聞き入ったものです。それはとても気品があり趣味の良いものだったと思います」と岩崎さんのことを評しているが、その通りの実に心地良いジャズ演奏だし、一方パイプオルガンの方は実に荘厳な響きを持って伝わって来る。ユニークで可憐な人でもある。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストであり、オルガニストの岩崎(小野田)良子さん】
La Camelia「カザルスホールに響きあう、聖なる音・俗なる音」
「ジプシーの風に吹かれて」から
M1 La Camelia
M2J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
M3SUNFLOWER
M4Melan-Coin
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