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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.228~吉沢はじめ登場~】

 「クラブジャズ」「アシッドジャズ」と言った言葉が聞かれ始めて久しいが、今や「ドジャズ(純生ジャズ)」よりもむしろこちらの方が、愉しく踊れるジャズとして若い連中には認識されている傾向も強い。当初はジャズとは余り関係ないものとして見ていた従来のジャズ関係者(ぼくもそのひとりだが)も、今や無視出来ないものとして雑誌や番組で取り上げている。最近はクラブを超え、ヒップホップとジャズを連携させた「ニュージャズ」が、本場のアメリカでも大きな注目を集めつつあり、確かにこのムーブメントは黒人たちの復権と言う点からも、頭では理解できても肝心の「ヒップホップ」についていけない点も多く、いささか困惑している。昔はニュージャズと言えばゴリゴリの前衛ジャズを指したもので、ぼくなどもその轟音、騒音に痺れたものだが、ヒップホップには年令のせいもあってか体全体が反応しない。

 と言ったところで相変わらずドジャズ中心のぼくなのだが、ちょっとした関わりがあって「クラブジャズ」で一世を風靡したユニット「モンド・グロッソ」の人気キーボード奏者だった吉沢はじめが、新作を携えスタジオに来ることになった。新作のタイトルは『インナーイリュージョンズ』。「歓喜と祈りが織りなす壮大なスケールの音」とあるが、キーボード奏者としての吉沢の姿を集大成したような作品になっており、ラストは東北の子供たちの印象的な歌声(「あおぞら」)で締めている。一時は「クラブジャズ」のピアニストとして、ジャズ界からは異端視された感もあった吉沢だが、元々はバップを志した純粋なジャズピアニストであり、その一面もここで披歴してくれている。それと彼の叔父さんはあの「ウエザー・リポート」などでも知られるピーター・アースキン(母親の妹が彼の奥さん)と言う関係にあり、彼からもジャズピアニストとして精進するように言われたと言う。そのアースキンそしてデーブ・カーペンター(b)と共演したアルバムも残されており、番組ではそこからも1曲掛けることにしている。

 「どうもジャズの枠外の人に見られがちなのですが、今回のアルバムにはジャズピアニストとしての力量も最大限発揮したつもりですので、是非皆さん聴いてみて下さい」と最後に語ってくれたが、やはりかなりな力量の持ち主であることが良く分かる。「ジャズ」から「ニュージャズ」まで、これからも吉沢のカバーする範囲は広く深い。
【今秋の番組ゲスト:ピアニストの吉澤はじめさん】
M1『A New Day』
M2『May』
M3『あおぞら~Aozora~』
M4『Dope Impakt』

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