「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中(再放送は毎週金曜日 18:30~19:00 ※特別番組放送により休止の場合あり)。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.652~黒衣軍に肉薄すれど、残念】
まずのっけからある数字をお届けしたい...。102→7。この数字、勘の良い方でラグビー好きならばすぐにわかる筈。オールブラックス(黒衣軍)とジャパンのテストマッチでの点差の変化で、この2試合共に幸運なことに、ぼくが観戦することが出来たゲームなのである。102点差の方は4半世紀前の旧国立競技場、ジャパンはテストマッチの位置づけだったが、ニュージーランド協会では親善試合扱いと言う、何とも屈辱の試合で、あの当時はまともに黒衣軍と戦う...等と言うことを考えもつかなかったし、当時のラジオたんぱでラグビー番組とは...、これも考えられない時代だった。
旧国立競技場の端っこで簡単に点を加えていく黒衣軍に、ただただ感嘆しながら見ていたテストマッチ。それが先日の戦いではあわや逆転...などという、考えられないほどの試合経過。日本でのワールドカップ効果...というか、時代の流れとは恐ろしいものだし、ジャパンは本当に強くなったものである。感涙また感涙の心境。
新たな布陣のジャパンと心新たに日本に来た黒衣軍。先日の結果は38対31。最後にペナルティーさえ無ければわずかに5点差。肉薄どころでない大健闘なのだが、選手は試合後のインタビューやその表情などからは、全く残念と言った心持ち。ジャパン本当に強いとつくづく感じ入ってしまった。
4半世紀前と言えば、リーチは未だ南洋の島に居たかニュージランドの小学生か...。最年長のフルバック、山中亮平も関西の小学生の頃。あの100点越えの屈辱など...全く意に介さない面々、素晴らしい。しかし結果は、負けは負けである。
確かに今回の黒衣軍。この後欧州遠征が控えている...とはいえ、バレット3兄弟やマーティー・サベアなどのスターが参加していない、少し格落ち感のある面々だとは言え、そこは世界に冠たる黒衣軍である。ジャパン立派の一言。今回の参加メンバーの中でぼくが知っているのは、主将のサム・ケイン、試合前の儀式=ハカを先導したSHのアーロン・スミス、万能のSOリッチー・モウンガ位なもの。こんなことを言えばラグビー番組パーソナリティーの藤島大さんに、「小西さん全く勉強不足ですよ...」等とたしなめられそうだが、知らない面々がスタメンに並んでいる。だが全員が黒衣を着れるだけの実力者ばかりで、ジャパンが一瞬ひるむと直ぐにラインブレークされ危機を迎える。そのスリリングさがまた何とも堪らない。試合の前半に2本のトライを取られ、これでずるずると大敗に...と思いきや...、そこからジャパンの面々は踏んばり2トライを返し、あわや後半は逆転を...等と、希望を持てるほどの頑張り振り。後半も引き離されることなく奮戦した。嬉しかったのは斎藤と下川と言う我が早稲田ラグビー部出身の2人が、同時にピッチに立った時。FBの山中を含め3人もグランドに早稲田ラグビー出身者がいるだけで、本当にワクワクしてしまい、試合終了後の選手インタビューでは、斎藤くんに久々に挨拶すると共に、下川くんにも初キャップの感想を聞いてしまった程。頼もしい2人である。
2人共に来年のラグビーワールドカップに向け、主力選手として頑張って欲しいと...心から願いつつ、新国立競技場を後にした。天晴れジャパン!頑張れジャパン!
【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの山本 剛さん ジャズプロデューサーの渡辺康蔵さん ディスクユニオンの坂本涼子さん】
新譜『Blues for K』から
M1「You Go to My Head」
M2「Blues for K」
M3「Gentle Blues」
M4「Misty」