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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.539~ジャズ講座

 今年もまた中野区から頼まれて恒例のジャズ講座を実施した。例年だと年明けの2月位が多かったのだが、今回は年内に実施して欲しいと言う要望、更に例年のシリーズものと違い1回だけの開催だと言う。更に会場も従来の弥生町区民活動センターから、南中野(堀之内)のセンターに変わり、ここは中野区の区民センターの中でもそのメインとなる施設で、会場も収容人数がこれまでの3倍近く、小綺麗なホールだとも聞く。

 まあジャズ120年以上の長い歴史とその多彩な内容を、2時間ほどで紹介するのは至難の業...と言うことで、ここはゲストに「おんぶにだっこ作戦」として、話し上手な人を...と考えもう40年近い付き合いのある、心療内科医にして新進のジャズシンガーでもある、海原純子女史を相手役に...ということで、彼女にTELすると二つ返事で了解、彼女をゲストに迎えての2時間余りのジャズ入門講座とすることに決めた。サブタイトルも彼女の了解を得て、そのエッセイ本からのほぼパクリで「ジャズは心のサプリ」。これならばなんでも入れ込める訳で実に便利、残る心配は集客の問題だけ...。
 10月の末に神保町のジャズ喫茶で彼女と軽い打ち合わせを行い、彼女のデビューアルバムと好きなシンガーのアルバム、そしてぼくのお勧めシンガーの作品など、当日かけるものを全部で10枚近くピックアップ、後は当日に参加した人達の様子を見ながら決めることにして、入門講座当日を迎えた。

 当日の構成は午後1時半から2時間余り。初めて南中野の区民センターの会場に入ると、これがかなり立派なもので200名弱が入ると言う小ホール、音響装置も仲々に立派なもので、30分ほど前に会場入りしたが、当日は曇り空でいささか小寒い日和。過去の講座でも平均年齢は60才以上とかなり高齢の方たちが多いので、天気具合も集客には影響して、ましてやこの大きさ。いささか心配しながら控室で待っていると、次々とお客が入ってくる様子。定時に会場に入るとちゃんとしたひな壇も用意されており、一段と高い場所から講座をスタートさせる感じ。ほぼ満員の90人近い人で埋まっており、ソーシャルディスタンス順守の会場では、これで満杯と言う盛況ぶり。これまでは多くて40名ぐらいだったので、その倍近い入場者でこちらが圧倒されてしまう。

 まあ比較的年齢層の高い客層で、ジャズなどは余り知らないと言う人がほとんど。と言うことで初端は雪村いずみ、美空ひばり、江利チエミと言う戦後のジャズ歌謡を担った「元祖3人娘」の唯一の揃い踏みになる音源を用意。数年前にいずみさんが芸能生活周年記念として作ったアルバムに収められている、3人の擬似共演ナンバーで、アメリカを代表するジャズ&ポップスシンガーのドリス・デイのヒット曲「トゥ・ヤング」を掛ける。この実に珍しい共演ものは、確かレコード大賞の企画賞を獲得したと言ういわくつきのものだが、クイズでこれを当てさせるとジャズなど知らないお婆ちゃんが見事正解。これで会場の雰囲気も和み、講座のつかみにもどうやら成功した様子。後は講演会などお手の物の、百戦錬磨の海原女史をステージに呼び込めば、ジャズスタディーは順調そのものに進行していく。彼女とのボーカル談義、スタンダードナンバーの歌詞から読み取る男女の深層心理診断、アメリカ大統領選挙に引っ掛け、アメリカ音楽に於けるジャズ(バイデン)とカントリー&ウエスタン(トランプ)の根本的対立、そしてその融合の象徴としてのナッシュビル育ちの注目シンガー、キャンディス・スプリングの紹介などをぼくがして、ラストはぼくが用意したCD盤プレゼントの大じゃんけん大会、これも大盛り上がりで主宰した南中野の区民活動センターのスタッフも大喜び。感謝・感謝の言葉でジャズ講座はめでたく無事終了、次も是非...と言う激励を受けつつ、海原女史と共に会場を後にした。中々に気持ち良い一日でした。

【今週の番組ゲスト:ドラム&タブラー奏者の大村亘さん】
ご自身がリーダーを務める「POLYGLOT」の1stアルバム『TALK, VOL.1』から
M1SZ
M2PAUL
M3825
M4NAGOYA

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