「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.756~米大統領選挙~】
日本の衆議院選挙以上に、個人的にも関心のあった米大統領選挙。予想外の大差でトランプの勝利に終わってしまった。全く残念な結果だし、他国のことながら今後の世界情勢などを考えると、憂慮にたえない。民主党が副大統領のカマラ・ハリスを担ぎ出し、初の女性大統領...などとそのパワーで押し通した序盤戦に対し、新聞報道等でも後半戦は尻すぼみ状態...と報じられ心配していたのだが、結果はおよそ接戦などにはならずある意味惨敗、ハリスはもろくもトランプに敗れ去った。
そうなるとハリス優勢に傾いていた日本のマスコミや有識者も、やはりトランプは強し...とか、ハリスは政策が...等と、訳知り顔に語り出したが、ぼく自身はどうも納得がいかない...。一説には現大統領のバイデンが候補を降ろされた経緯からカマラに余り協力もせず、特にその夫人などは投票所にわざわざレッド(共和党)の派手々衣装で登場、その上トランプ支持者だ...等とまで報じられ程、民主党陣営の足並みの乱れもあったと聞く。またハーバード大出の秀才コメディアンがあるTV番組で大統領選の結果を嘆き、議会襲撃などトランプのこれまでのことを告発すると、ネット右翼から大パッシングなど...とも報じられた。
まあハリスの敗北は色々な悪条件もあり仕方ないにせよ、気になったのは民主党の有力議員も、今回同時に行われた選挙で次々に落選...等ということらしい。どうやら全米では地滑り的にレッド(共和党)がブルー(民主党)を圧倒した感じで、全米の政治状況もどんどん悪い方向に向かってしまう...と言う感じである。これはどうしたものか...と一人悩んでいた矢先、ある知り合いから興味ふかいレポート・ノートがあるから、それを読んでみたら...と勧められた。
ハーバード大の大学院に留学し公共政策などを研究している、日本人留学生の連載ノート(ハーバード大留学生~雨のち晴れ晴れ)だった。ハーバード大大学院留学...と言うだけで、大学コンプレックスでいささか引いてしまう感ありだったが、読んでみると目からウロコ...と言った感じで、中々に今の状況が分かるノートだった。ハーバード大と言えばもう当然民主党支持者も多く、ハリスの勝利を願って選挙結果を多くの学生が見守っており、両者拮抗等というので数日はわからない情勢か...などと話しをしていたと言う。ところがあっさりとトランプ勝利が告げられ...、意気消沈し涙する学生も少くなかった様子。ただノートの筆者は、自由・民主...と言った民主党=ハリスが第一に問題視した争点は、富めるものが更に富み労働者層が激しいインフラに悩まされ、明日の糧も無い状態では、民主や自由などはどこ吹く風だし、自分達の生活さえ維持できれば、世界がどうなっても...と言うことだったのでは...と言う。「今日の民主政治よりも、今日の食料を...」で、そこら辺の庶民の不平等感を、ハーバード大で教える教官やそこで学ぶ学生達には、到底理解出来ないだろう...と言う彼の考えは、実際にアメリアの地に暮らすだけによく分かる。なにより相手(トランプを筆頭とする彼の信奉者や一般庶民達)を、もっとよく知る...ということを、民主党等のお偉いさんやハーバード大の識者達はやるべきだった...と言う指摘も、まさに外からの視点ではあるが、それだけに至言なのだろうとも思う。全く同じようなことを、民主党の党友でもある急進左派のサンダース上院議員も語っていた様だが、ことはアメリカだけでなく、全世界にこの結果は大きな影響を及ぼすだけに、これからの新大統領=トランプの動向を、我々は注意深く見つめていかなければならないだろう。今は切にそう思う。それにしてもジャズファンでマニアとも呼べるほどの存在だった、ハリスの今回の敗北、残念の極みでもある。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の 佐藤英輔さん】
『越境するギタリストと現代ジャズ進化論』から
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3124351002/
M1「Billy Preston /Miles Davis」(『GET UP WITH IT』より)
M2「The Cocktail Party / Mrac Ribot」(『Rootless Cosmopolitan』より)
M3「The Pleasure Is Mine / Terje Rypdal」(『Life In Leipzig』より)
M4「Farafina / Lionel Loueke」(『Heritage』より)








