「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.751~BlueNoteジャズフェス2~】
今回の「ジャズ日和」は、前回の続きでこの9月開催された久々の「BNジャズフェス」の2日目のレポートを...。1日目は前回も書いた通りに、ジャズ色はほぼ皆無とも言えるラインアップだったが、まあそれなりに愉しめるものではあった。特にファンク・キングのジョージ・クリントンのパーラメント&ファンカデリック・バンドはなかなかに秀逸。特にフューチャーされていた白人ギター奏者(名前分からず)のソロは、カルロス・サンタナ張りの官能性を秘めた優れもので、結構痺れさせてもらった。
そして翌日の2日目、こちらではマーカス・ミラーやスナーキー・パピーなどの参加もあり、ジャズフェㇲ本来の面白さも十分に堪能することも出来るラインアップ。初日には初見の有明アリーナへの道行きで、いささかの手違いなども生じ結構苛ついたりもしたが、2日目にもなるとそこは完全に解消、スムーズに会場入りも出来、初っ端のキャンディー・ダルファーのステージも堪能。今や欧州フュージョンシーンの代表格のキャンデイー嬢、久しぶりにステージを聴いたが、そのサックスも良く歌い貫禄も十分。なんと言っても姉御肌ながらその美形衰えず。盛り上げも堂に入ったもので、エンターテイナーとしてのその才に感服した。
続いてはグラミー賞なども獲得、ライブバンドとしては今や屈指の存在...と言った評価も高いスナーキー・パピー。アメリカの学生バンド上がりの、知的で洗練されたバンドカラーはそれなりのものだった。ぼくは今回初めて彼らのステージに接したのだが、その高い世評ほどには興味を唆られる所は多くは無かった。ジャズをコアにロック、R&B、ワールドミュージック等、様々な要素を混在化させたその音世界は、かなり21世紀の今を感じさせるものではあった。だがなにかかつてのアイビーリーグ出身の白人ジャズバンド(彼らの出身大学は違うようだが...)臭さが邪魔をしてか、そのサウンドに全面的に引き込まれる処は少なかった感ありでもあった。続いてはナイル・ロジャース&シックのヒットチューン満載のステージ。ナイル自身もいかに多くのスターのプロデュースを担当してきたか...を得々と語っていたが、確かにその実績は凄いものだし、ステージも黒人エンタメの極みとも言える洗練さ。見応え・聴き応えは十分で、客席も大いに湧いていたのも至極当然と言った感じ。
続いては2日間のステージで、ジャズ的な意味合いで最も興味を惹かれる、マーカス・ミラーのユニット。マーカス自身はナイルのステージの最後にゲスト参加、その卓越したエレビ技(EB)を披瀝し観客を魅了していたが、自身のバンドはラッセル・ガン(tp)を含む2管編成で、今のモダンなジャズサウンドでバッチリと決めてくれた。マーカス、ラッセルと言った2人のソロワークも堪能出来た充実のステージだった。
そして今回のジャズフェスの大トリを務めるのが、あの「シカゴ」。ぼくがこの「テイスト・オブ・ジャズ」を担当し始めた半世紀以上前のすこし後頃から登場した、このブラスロックの雄。番組の歴史よりも少し後輩ではあるが、昔はよく特集も組んだものだし、実に良く頑張っているなーと感慨もひとしお。ロバート・ラム(vo)やジェームス・バンコウ(tb)など、オリジナル・メンバーも数人残っている辺りも嬉しいところで、確かによる年波には...と言った趣きもあったが、それも御愛嬌。バックステージには半世紀を超えるこのバンドの歴史が映し出され、それを見ているだけでも感慨深いもの大いにあり。CTA(シカゴ交通局)というユニット名で、血の民主党大会を謳ったり...とかなりメッセージ性の強い音楽を展開していたデビュー当時の彼らも、3作目辺りから方向転換しラブ&ピースの世界にどっぷりと...。そしてヒットチューンも数多く放ち、ロックの殿堂入りまで果たす...と言った具合。リーダー格のバンコウのトロンボーンソロなどそれなりに納得行くものだったし、確か数年前には新作も出しており、この歴史的バンドの健在振りを確かめられ、これはこれでかなり意義あるステージだった。
1日目はなにかもやもやしたものも残った...今回のフェスだったが、2日目にして十二分に愉しませてもらえ、まあ満足に家路へと...。それにしても湾岸の有明地区、夜8時を過ぎると食べる処など皆無。だいぶ難儀をしたが、門前仲町までバスで出てどうにか夜食にもありつけ、ホット一息。お疲れさんの2日間だった。又来年も...。
【今週の番組ゲスト:ジャズヴォーカリストの中村泰子さん】
2ndアルバム『DAY IN DAY OUT』より
M1「For All We Know」
M2「House is Not a Home」
M3「At Last」
M4「Day In Day Out」




