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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.533~ラグビージャズ組曲】
  
 本来ならばこの時期、大学ラグビーやトップリーグも開幕、華々しいラグビーシーズンのスタート...の筈なのだが、このコロナ禍で大学ラグビーこそようやく始まりそうだが、トップリーグの方は未だ始動の気配さえない。そんな中、藤島大さんをパーソナリティーに擁する我がラグビー番組「楕円球に見る夢」は、プロデューサーのH嬢が色々と苦労し話題集めに奔走、かなり充実した内容でファンを愉しませている。
 その大さんには以前から飲んだ席などで、ジャズでもラグビーを題材にした恐らく世界で唯一つのアルバムがあることを伝えていた。そしてその主役が、ぼくの早稲田大ジャズ研の後輩で、日本で唯一人のジャズで博士号を取った男、本邦随一の力量を誇るジャズシンガーにして日大芸術学部ジャズ講師でもある丸山繁雄くん。と強調していたのだが、肝心のそのラグビー組曲を収録したCDアルバムが見つからなくて、残念なことに大さんにその素晴らしさを伝えることが出来なかった。それがこの初夏、山荘でアルバム整理をしている最中に偶然見つけ出すことが出来たのだ。これは直ぐに大さんに...と思い、手渡してくれるようにプロデューサーのH嬢に頼んでおいた。それ以降この丸山によるラグビー組曲のことはすっかり忘れていた。

 それが先日ラグビー好きの知り合いから連絡があり、丸山のラグビー組曲が「ラグマガ(ラグビー・マガジン)」今月号、大さんの巻頭エッセイに載っているよ...とのこと。今、とあるトラブルで個人的に毎日むしゃくしゃする中、これは久々の朗報と本屋に直行、立ち読みするとなんと話題は確かに丸山「ラグビー組曲」のこと。中身の殆んどはラグビー組曲のメインナンバー、「タックル・ダウン」の主役。今は亡きジャパンの小柄な名フランカーにして、早稲田ラグビーのキャプテン&監督も務めた石塚武夫。丸山の友人でもあった石塚に捧げたこの曲から、大さんのラグビー部先輩にもあたる彼の想い出をメインに記した好エッセイだった。そこでもこれがおそらく唯一のジャズラグビーナンバーだと言うこともいた。

 これは直ぐに丸山くんに教えなければ...と思い彼にTELすると、いささかおぼつかない口調で電話口に出てくる。ああそうか彼は今病(脳溢血)の後遺症でリハビリ中なんだ...と思い出し、一言一言ゆっくりと藤島大さんがラグマガに、「タックル・ダウン」と石塚氏のことを書いてくれたよ...と伝えると、いささか心もとない感じではあったが、「ラグマガ、昔よく読んでましたね。大さんも知ってますよ。小西さん有難う、すぐに本屋に行って買ってきますよ...、有難う...」とウルウルした感じで応える。ラグビー好き「早稲田ラグビー命」の一員でもある、屈指のジャズシンガー丸山繁雄にとってラグマガに、アルバムそしてラグビー組曲が紹介されるのは望外の喜びであったはずで、彼がいささかウルウルしてしまうのも良く分かる。しかもリハビリ中と言うだけにその喜びは更に大きかったはずである。
 「今どうなのリハビリは...」と尋ねると、「徐々に良くなっており、この前は九州の博多、名古屋のボーカル教室でも授業してきました...」とも言う。今唄うことは叶わずとも、全国に3~4か所あるボーカル教室で教えることは続けているようだ。「小西さん、絶対に復活しま
すから、その時には番組に出させてくださいよ」と力強い宣言である。あたかもそれは何回も倒されながらもタックルし続けた石塚武夫の雄姿にも通じる様でもあった。

 好漢!丸山よ、また是非その素晴らしい歌声をぼくたちに聞かせて欲しい。あの至宝、ジョン・ヘンドリックスが絶賛した歌声を...。そして有難う大さん。丸山くんは感涙にむせんでいた筈です。ラグビーもジャズも、共に本当に素晴らしいものだ。


【今週の番組ゲスト:ツィター奏者の河野直人さん】
新譜『ツィターと共に』から
M1「第三の男 40th ヴァージョン)」
M2「マイ・フェイバリットシングス」
M3「月の砂漠 feat.渡辺真知子」
M4「ピースフル・デイズ」
M5「サウス・ウイング」




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