【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.805~世界に冠たる神保町~】
世界的なニュースネットワークとして知られる「CNN」。そこのタイムアウトという調査で、25年度「世界のクールな街ランキング」が先日発表され、なんとその第一位に東京の神保町が選ばれたと聞く。ぼく自身も日本の街のベスト3には、この街を選びたいほど好きなだけに、今回の結果中々に嬉しいことだった。この街が今回トップに選ばれたのは、やはり「ビクリオフィル(書物好き)」という点が大きかったと言われるが、なんと言ってもここの古書街は世界でも類を見ない規模。メイン通りや裏路にも古書店は限りなく、その数なんと百店を超す。それ等を見て歩くだけでも愉しいし、また古くからの建物も数多く残されており,その建物探訪もまたこの街の愉しさでもある。
ぼくの神保町のイメージと言えば、やはり何と言っても学生街。学生主体だけに、何よりこの街の食い物、飲み物、売り物など、お店の殆どが、手頃で安価だということ。その学生街のシンボルが明治大で、「白雲なびく駿河台...」この大学は、ぼくの大好きなラグビーでは早稲田ラグビーの永遠のライバル校だが、なんと先日閉鎖された歴史ある山の上ホテルを大学が買い取ったとも聞く。由緒あるこのホテルを、どう直しどんな使い方をするのか...、それは未定みたいだが、またこの街に新たな魅力も付加されるに違いない。
ところでこの街は古本とともに、もう一つスポーツ用品と楽器のお店の多さでも、世界的に知られておリ、スポーツ面では一時はスキー店ばかりだったが、最近のスキーブーム低下と共に、石井スポーツなどアウトドアや山グッズ屋が増えている。そしてもう一つの楽器だが、こちらは御茶ノ水駅前周辺に群がっており、日本の若い連中だけでなく、アジアなどからのインバウンド客も、相当に増加している感も強い。そしてこの楽器に関係するのだが、この街は同時に「ジャズの街」でも有り、「街ジャズフェス」なども開催され、「ナル」などの老舗ジャズライブハウスも幾つか有る。その上何と言っても、世界1の在庫数とも言えそうなジャズの館、「ディスク・ユニオン~ジャズ東京」があることでも知られる。局員時代にも暇があれば」ディスク・ユニオン御茶ノ水」にはよく通ったものだが、今はジャズ終活中でも有り、お店はなるべく覗かないようにはしているのだが...。
この街の飲み屋では、最も歴史ある焼酎店「兵六」。開店と同時にほぼ満席になるので、ちょっと出遅れると入れないのが玉に瑕だが、今の主人も馴染の好人物。もう一店カレーの街でもあるこの神保町に古くからあるスマトラカレーの店「共栄堂」。日本で唯一と思われる、この独特な純黒で食べ応えと味わい豊かなカレー。スマトラ(インドネシア)原産とも言われる由緒あるカレーは日本一だと思う。そしてこの街のぼくの最大のお気に入りは、時々ライブもやっているジャズカフェ&バーの「アデュロン・ダック」。この店にはぼくのジャズ賞受賞パーティー等、色々お世話になっている。ぼく自身も知り合いのミュージシャンやシンガーを紹介したり、今年のはじめには証券関連パーソナリティーで知られる、浜田節子さんのジャズボーカルライブなどもここで行うなど、色々と関係も深い。これまでも何回かこのコラムでも、この店を取り上げてきたが、なんと言ってもオーナーの滝沢夫妻のホスピタリティーには感服する。NYでのレコードバイヤー仕事も長かった夫妻だが、お店はご夫婦と話をしたくて集まる常連客も多く、ぼくもその一人。いろいろなジャズバー(喫茶)紹介本では、本場NYの雰囲気を強く感じさせる店として紹介されるが、いつまでも続いて欲しいものである。
この「アデュロン・ダック」と「ディスク・ユニオンジャズ館」、そして飲み屋「兵六」に「スマトラカレーの共栄堂」。この4店があるからこそ、神保町はぼくにとって「世界で最もクールな街」だし、「永遠のパラダイス街」でもあるのです...。
【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの木住野佳子さん】
CDデビュー30周年記念アルバム「Reminiscence」から
M1「Red Rhapsody」
M2「Lilac Snow」
M3「Overjoyed」
M4「空のかけら」



