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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.224~インディーズレーベル~】

 「ブルーノート」「プレスティッジ」「リバーサイド」。言わずと知れたジャズの3大レーベルだが、これらは全て元々は1940年代から50年代にスタートしたいわゆるインディーズレーベルである。このうち現在も残っているのは「ブルーノート(BN)」だけで後は消滅してしまっており、BNが現在も生き残っているのも、60年代にメジャーレーベルに身売りしたからに他ならない。
 これからも分かるように、ジャズアルバムと言うのはもともと個人商店風な感じで出されていた訳だが、日本ではジャズは外来音楽。大手のレコード会社が本場から輸入する形で販売し、最近までいくらかの例外を除いては、大手レコード会社の専売と言う市場だった。しかしここ最近音楽流通の大変化などに伴い、アルバムが売れなくなり担当セクションも縮小、これによって実力あるジャズ担当ディレクターが独立し、自身のレーベルを立ち上げ、内外のジャズアルバムを発売するケースが増えてきた。特にジャズの場合、今や大「ユニバーサル」の独占状態(7割強のレーベルを抱える)が続くだけに、ユニバーサル関連以外はほとんどが独立したプロデューサーによるインディーズレーベルのアルバムと言った感じもある。

 そんなインディーズの中では、今や老舗の感じもあるソニー出身、伊藤八十八氏の「88レーベル」、ユニバーサルのジャズ担当だった五野氏の「55レーベル」と言う2つの数字レーベルが良く知られるが、それ以外にも数多く様々な試みでジャズインディーズは頑張っている。我が「テイスト・オブ・ジャズ」でも、彼らの頑張りに敬意を表し、プロデューサー自身に登場してもらったり、アルバムの主役のプレーヤーシンガーに出演してもらったりしているが、今週と来週はそうしたインディーズの中でも、業界の良心とぼくが密かに読んでいる2つのセンスあるレーベルオーナーが登場してそれぞれの自信作を紹介してくれる予定。

 一つは今週の「ミューザック」~ドイツ語の音楽と言う言葉を冠したこのレーベルのオーナー、業界歴30年近い福井氏。ジャズをメインにその周辺の音楽など、意欲と心地良さをモットーにもう10年弱、様々なセンス溢れたアルバムを出している。今回そのレーベルの歴史を写し取った選りすぐりのベストアルバム『ナイト&デイ』を発表。そのアルバムを携えスタジオに来てくれる。そして来週は福井氏ともセンスが通じ合う、元「オーマガトキ」などでアルバム制作に励んでいた高木氏が、今年の夏に立ち上げた新レーベル「コア・ポート」。このレーベルは世界中の好アルバムの中核(コア)と港(ポート)になれれば...、という想いを持って立ち上げたもので、欧州を代表するピアノ・トリオ「トリオ・センス」のアルバムなど、もう8作近くを発表。そのアルバムを全て抱え、スタジオに遊びに来てくれる。 ジャズアルバムを売るのが厳しい昨今だが、決して自身のテーストに合わないものは出さない、良心的な姿勢を貫こうとしているこの2人の穏やかながら強い信念に溢れたアルバムの数々。きっと皆様も気に入る筈なので、是非耳にしてみて下さい。掘り出し物もかなりありますよ。

【今週の番組ゲスト:HMVジャズ担当の山本勇樹さんと、MUZAK代表の福井亮司さん】
M1『We Can Work it Out / Grayna Auguscik&Paulinho Garcia』
M2『Moments of Anna's Life / David Gazarov Trio』
M3『I'm Shadowing You / Janet Seidel』
M4『Still Crazy After All These Years / Ann Burton』
M5『Going Home / Albert Ayler』

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