「米国株、22日、23日と上昇」
「リスクオン取引が広がる」
「恒大集団、債務不履行一旦回避→株価は1日で17%上昇」
「日経平均先物、30100円」
「FOMC、経済と失業率見通しの悪化を予想、物価見通しは引き上げ」
「FOMCメンバー、金利見通しを引き上げ」
東京株式市場は23日、休場でした。米国株は、22日、23日と連続して上昇しています。以下に示します。
NYダウ(ドル) ナスダック総合指数(P)
22日 34258(+338) 14896(+150)
23日 34764(+506) 15052(+155)
中国恒大集団が債務不履行を一旦回避することが明らかになり、世界的にリスクオンの動きになりました。後述しますが、FOMCの内容も考慮する形で、米国債券相場には売りが先行しました。23日の米国10年債利回りは1.411%まで上昇しました。今週初は1.3%割れの場面もありましたので、短期的に大幅な上昇を見せています。7月13日以来の高水準です。
原油価格は23日には73.50ドルまで上昇しました。こちらは8月2日以来の高水準です。ビットコイン等の価格も上昇、全体的にリスクオン取引が広がり、23日のシカゴ市場における日経平均先物は、30100円(円建て)で引けています。
23日の香港市場も見ておきましょう。香港ハンセン指数は24510P(+289P)となりました。23日の恒大集団の株価は2.67香港ドル(+0.4香港ドル)と、1日で17%も上昇しました。出来高は約7億3800万株と、前営業日(21日)の約1億7000万株の4倍以上となり、記録的な大商いとなっています。
そのほか、インド株、ドイツ株、ブラジル株なども23日は強い動きを見せています。
米国時間22日にFOMCの結果が発表されました。メンバー18人の金利見通しは、6月時点の予想と比べて引き上げられました。まず、メンバーが2022年末に予想している政策金利水準を見てみましょう。
2022年末の政策金利
利上げなし 9人(6月11人)
1回利上げ 6人(6月5人)
2回利上げ 3人(6月2人)
6月時点では利上げなしと考えていたメンバーのうち、2人が利上げ実施へと転換して、利上げなしと利上げありが9人ずつに分かれました。2回利上げと考えるメンバーも1人増えて、3人になりました。この結果、現時点でのメンバーの総意としては、2022年末までに1回の利上げが行われるとの結果になります。
6月時点と比較すると、金融政策は引き締めの意識が強まる結果となりました。
メンバーの2021年の重要経済データの見通しにも重要な変化が表れています。以下に示します。(カッコ内は6月の見通し)
2021年の見通し
GDP成長率 5.9%(7.0%)
失業率 4.8%(4.5%)
PCEインフレ率 4.2%(3.4%)
PCEコアインフレ率 3.7%(3.0%)
米国の成長率の見通しは引き下げられています。GDP成長率は、6月に3月時点の6.5%に対して7.0%に引き上げられていましたが、今回の9月、5.9%へと大幅に引き下げられました。
そして、失業率の見通しは、4.8%へと引き上げられています。成長率が引き下げられ、失業率の見通しは引き上げられました。6月時点と比べて、米国経済の見通しは悪くなり、雇用の見通しも悪くなりました。
それでも、メンバーの予想金利水準が引き上げられました。何故、引き上げられたか?と問いに対しては「物価の見通しが引き上げられたからだ」という説明になるのでしょう。上記に示したように、物価の見通しは大幅に引き上げられています。「経済や雇用の見通しが悪くなったけれども、物価が予想以上に上昇するので、金利の見通しは引き上げられた」――これが今回のFOMCのポイントになります。
FOMCの声明文の一部を以下に掲載します。
「If progress continues broadly as expected, the Committee judges that a moderation in the pace of asset purchases may soon be warranted.」
「もし、進展が予想通りに続くのならば、委員会は資産購入のペースがすぐに修正されることを判断するであろう」と記載されています。9月のFOMCの声明文で「順調ならばすぐに修正される」と記載しているのですから、9月の雇用情勢の回復が確認できれば、11月のFOMCで量的金融緩和の規模縮小が発表されて、すぐに実行されるという事になります。
FOMCメンバーの来年のFFレート水準の見通し(2022年末までに1回利上げ)を考慮すると、テーパリングのペースも予想が可能な状況になります。
現状では、
➀「今年11月、12月、来年1月、3月、4月、6月、7月、9月」の8回のFOMC会合毎に各150億ドル、
あるいは、
②上記から7月、9月の会合を除いた6回の会合毎に各200億ドルのテーパリングが発表される。
➀か②かどちらかの手法によって、毎月1200億ドルの債券購入額がゼロになていく。その後の会合で利上げが実施されるとスケジュール感にあります。
2年先になりますが、メンバーが予想する2023年末の金利水準も以下に記載します。(カッコ内は6月時点の予想)
2023年末の政策金利
利上げなし 1人(5人)
1回利上げ 4人(2人)
2回利上げ 3人(3人)
3回利上げ 1人(3人)
4回利上げ 6人(3人)
6回利上げ 3人(2人)
2023年末の金利水準は、現状の金利水準に対して4回利上げが多数派になります。
さらに、今回は2024年末の金利水準が、今回は新たに発表されました。
2回利上げ 1人
3回利上げ 3人
4回利上げ 3人
6回利上げ 2人
7回利上げ 1人
8回利上げ 5人
9回利上げ 1人
10回利上げ1人
今年のGDPの見通しが大幅に引き下げられたことを冒頭で書きましたが、来年のGDPについては、3.8%(6月3.3%)に引き上げられました。今年の成長率が低くなる一方で、来年の成長率が引き上げられました。今年の企業収益に対する過度に楽観的な見方が後退する一方で、来年の落ち込みに対する懸念が薄れるとの考え方もできます。
今回のFOMCの結果は、「景気や雇用が従来よりも悪化する見通しになったけれども、物価の上昇が激しいので金融政策は引き締め型になった」と考えています。株式市場にとっては、必ずしもフレンドリーな内容とは言えません。しかし、米国株は大幅に上昇しました。プレーヤーはルールに従ってプレイをします。ルールが厳しくなっても、ルールが明確になることの方が歓迎されるのが株式市場なのでしょう。











