「5日の米国株は上昇」
「7月雇用統計の発表を控える」
「今年後半は"原材料高"が本格化」
5日の米国株は上昇しました。ニューヨークダウ、ナスダック総合指数とも、上昇率は0.78%でした。小型株の値動きを示すラッセル2000の上昇率は1.8%と、大型株と比べて大きくなりました。幅広く買われる動きとなりました。
5日には、新規失業保険申請件数の減少や、企業の人員削減数の減少が発表されました。そうした雇用に関するデータの改善がリスクオンの取引をもたらし、株高につながったとの説が聞かれています。
しかし、前の日に発表されたADPの雇用統計では、雇用者の増加数が減少しています。米国時間6日に発表される雇用統計の内容を受けて、どのようなマーケットの反応になるか、関心を呼んでいます。以下にADPと米国労働省の発表した雇用統計における非農業雇用者の増加数の月別推移を記載します。
ADP 米国労働省
3月 519000人 785000人
4月 622000人 269000人
5月 882000人 583000人
6月 680000人 850000人
7月 330000人 ?
ADPと労働省の発表数字が、必ずしも一致していないことがわかります。「ADPの数字が悪いからと言って、労働省発表のデータが悪いとは限らない」という見方が、5日の米国株高につながったとの考え方ができます。
一方で、「雇用統計においては、必ずしも良好な数字が株高をもたらす訳ではない。」の見方も当然あります。例えば、非農業雇用者の増加数が100万人を大きく上回る状況になれば、金融政策変更の時期が早まるとの見地から、株式市場にネガティブな影響を与えることもあり得ます。そうした思惑を発生しにくくするために、7月のFOMCでは声明文に「(債券買い付け規模の変更を)今後複数の会合で議論する」と記載して、どんなに早くなっても、11月のFOMCまでは、テーパリングが実施されないことを示しています。
そうなると「雇用統計の結果に対するマーケットの反応」を考えるにあたり、さえない数字でも良好な数字でも、結果としては、マーケットに与える影響は限定的との考え方ができます。さえない数字でも「いずれは良くなる」、良好な数字でも「11月のFOMCまではテーパリングが決断されることはない」と、受け止められるからです。
嫌なシナリオとしては「悪い数字が発表されて、先行きの雇用の回復も極めて鈍い。コロナウイルスの感染者の再増加で、これまでの楽観的な見通しを全て変更しなければならない」という見方が広がることです。
でも、その可能性は限りなく低いでしょう。インドの株価指数が連日で最高値を更新していることが示すように、いくら感染者数が増加したとしても、いずれは人類がウイルス禍を乗り越えて、日常を取り戻すだろうという基本的なシナリオが変わっている訳ではないからです。
さて、日本株です。
5日も、日本企業の決算発表が活発でした。タイヤメーカーの住友ゴムは、今12月期の事業利益を従来の500億円に対して、550億円に上方修正しました。タイヤメーカー4社(ブリヂストン、横浜ゴム、住友ゴム、トーヨータイヤ)はそろって、12月本決算企業です。
住友ゴムが業績見通しの上方修正に進みました。他のタイヤメーカーにも、業績の上方修正期待が広がるか、注目されます。12月本決算企業の増額修正が増えるようならば、3カ月後の9月締め決算発表時に、3月本決算企業の業績上方修正が相次ぐだろうとの期待を引き出す効果があります。
しかし、住友ゴムの業績修正には、注意すべき要素もあります。同社は下半期の利益が上半期よりも減少する計画を立てています。住友ゴムの6月上半期の事業利益の実績は300億円でした。通期の営業利益は550億円の計画です。従って、下期事業利益は250億円の計算になります。
会社側の公表資料を見ると、前期の下半期に対して、今期の下半期は、原材料価格の上昇によって267億円の減益要因が発生するとしています。原材料の上昇による利益面の抑制が7-12月期において本格化する点には注意が必要でしょう。
同様に12月本決算企業では、ヤマハ発動機が今12月期の営業利益について、従来の1300億円に対して1600億円に上方修正しました。東南アジアでは、コロナウイルスによる経済面への影響が懸念されていますが、上半期の好調を受けて、増額修正を実施しました。
今年度計画の1600億円は、コロナ前の2019年12月期の1153億円、その前の2018年12月期の1407億円、あるいはその前の2017年12月期の1497億円を超えてきます。東南アジアのコロナウイルス状況によっては、流動的な要素もあるのでしょうが、新興国でオートバイを購入する人が増えるという大きな構造は変わらないと考えられます。











