「ナスダック総合指数、終値で高値更新」
「新興国インフラ整備、環境技術に関心」
「トヨタ、カーボンニュートラルを15年前倒し」
「三井ハイテック、ストップ高」
14日の米国株式市場は全般的に小動きでした。ニューヨークダウが0.25%下げる一方で、ナスダック総合指数は0.74%上昇しました。ナスダック総合指数は終値で4月26日の高値を更新しました。細かい話ですが、取引時間中の高値(4月29日の14211P)までは、あと40Pぐらいです。
ニューヨークダウ採用銘柄の上昇率ランキングを見ると、1位がセールスフォース、2位がアップル、3位マイクロソフト、4位がインテルでした。一方で、下落率ランキングは、1位JPモルガン、2位ウォルグリーン、3位ダウ、4位ゴールドマンサックスでした。グロース株が強く、景気敏感株や金融株が相対的に弱い動きとなりました。
さて、日本株です。昨日14日の日経平均の終値は29161円。7日以来、終値で1週間ぶりに29000円台を維持しました。そして、昨日の「取引時間中の安値」は29026円で、取引時間中に29000円台を割らなかったのは5月10日以来、5週間ぶりのことです。
仮に29000円を割った場面で買っていた投資家がいるとすれば、5週間ぶりに買えなかったことになります。だからもう下がらないなんて訳ではありませんが、下がりにくくなっていることを示す現象です。
G7では、7か国による「途上国向けの新たなインフラ投資計画」が打ち出されました。「Build Back Better World (B3W)」と呼ぶメディアもあります。中国への対抗という政治的意識が見えますが、新興国の経済発展は世界の株式市場の大きなテーマであり、この「B3W」が株式市場のテーマになることもあり得ます。
新興国のインフラ整備については、環境技術を抜きにしては、成り立ちません。新興国のインフラ整備は、先進国企業の環境技術を必要とします。「B3W」が株式市場で意識されるならば、日本企業の環境技術が注目の的となります。世界の投資家の中で日本企業の環境技術に関心を寄せる向きが増えて、結果的に日本株のパフォーマンスが良くなる期待もあります。
実際に、トヨタ株の6月上旬までの強い動きについても、今年度の業績水準だけで説明するのは難しいでしょう。ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、水素自動車と全方位的に環境技術を展開している点が、投資家にとっては、ある種の安心感につながったと考えられます。
14日には三井ハイテック(6966)という企業の株価が値幅制限いっぱいまで上昇しました。同社は、11日に第1四半期(2-4月期)の決算を発表し、今2022年1月期の営業利益を従来の47億円に対して80億円(前期比2.1倍増)に上方修正したことが好感されています。
三井ハイテックは、ハイブリッドカーを軸とした電動車に使われる「モーターコア」という部品の需要が急増しています。ちょっと古いデータですが、会社のHPを見ると、2016年の全世界でのシェアが70%(同社調べ)と記載されています。
トヨタは11日、今まで2050年を目標としていた「カーボンニュートラル」の実現を2035年に前倒しすることを発表しました。気候変動への官民の行動が加速しています。その流れを成長機会に取り込む企業の時価総額増加が期待されます。昨日の三井ハイテック株式のストップ高についても、世界的に、日本の環境技術関連株に関心を寄せる投資家が多いことを示す現象でしょう。
日本株は世界の株の中では相対的に動きが弱いと言われます。仮に、今後の日本株が世界の株に対してアウトパフォームするのならば、その要因として、「ワクチン接種率の上昇」を挙げる市場関係者が多い状況です。それに加えてもう一つ、「環境技術による世界経済の発展への貢献」を想定したいと考えます。
今日の日本経済新聞朝刊には「日本郵船が顧客の脱二酸化炭素要請に応えて、LNGを燃料とする自動車運搬船を12隻発注する」との記事が掲載されていました。
例えば、トヨタ自動車が2035年までにカーボンニュートラルを実現するにあたり、二酸化炭素をガンガン排出して製造された鉄鋼を自動車に採用するわけにはいきません。取引先の鉄鋼会社に対して環境対応を求めます。鉄鋼メーカーも取引先に対して環境対応を求めます。こうなると、産業界の隅々で脱二酸化炭素の実現に対する意識が高まり、環境対応を意識した製品の買い替えが行われます。株式テーマとして、ここを見逃すわけにはいきません。











