「米国5月雇用統計、物足りない回復」
「債券利回り低下、株価は上昇」
「非農業雇用者の"原数字"は100万人規模の増加が続く」
先週末4日に、労働省から米国5月雇用統計が発表されました。非農業雇用者の増加数は55万9000人と、4月の27万8000人の約2倍となりました。
前の日に発表されていたADPの雇用統計では、非農業雇用者の増加数は100万人近くに達していました。従って、金曜日発表の数字は「予想以下」との受け止め方が主流でしょう。
雇用者の増加が物足りないので、米国10年債利回りは低下、前の日と比べて、0.065%も低い1.56%となりました。今後の米国金融政策において、テーパリングの時期は早まらない、緩和策は続く、の観点から債券が買われました。
金利低下を好感する形で株価は上昇しました。上昇率はニューヨークダウが0.52%、ナスダック総合指数が1.47%です。
ニューヨークダウと比べて、ナスダック総合指数の上昇率が、かなり高くなっています。「雇用統計が予想以下になったので、金融緩和状態長期化への期待から債券利回りが低下。金利低下を好感して株価は上昇、特に低金利が好感されるナスダック総合指数の上昇率がより高くなった」のが米国市場の動きです。
米国時間3日木曜日に発表されたADP雇用統計とISM非製造業景況指数の数字がとても良かったにもかかわらず、3日の米国株は上昇しませんでした。そして、同4日に発表された米国雇用統計が予想以下だったにもかかわらず、米国株は上昇しています。現在の米国株は、金融政策の行方を重視していることがわかります。金融相場から業績相場へと移行するには、困難が伴うという事でしょう。
4日の雇用統計で非農業雇用者の増加数が100万人を超えるような状況になった場合、マーケットはどのような展開になったのか、そちらの方に興味があったのですが、ならなかったのですから、仕方ありませんね。
日本株にとっては、米国の経済指標が強く、米国の金利が上昇し、その上昇を跳ね返す形で経済が強くなるという観点から株価が上がる方が、同じ米国株高でも相対的に歓迎できる展開だと思います。金融相場的な色彩が強まって米国株が上昇するケースでは、相対的に日本株は弱くなるように考えています。
雇用統計について、細かい数字を押さえておきます。55万9000人の非農業雇用者増加数の内、29万2000人を「レジャー・接客業」が占めました。それらを中心に民間サービス業の雇用者は48万9000人増加しました。製造業の雇用者は2万3000人の増加、建設業は2万人の減少でした。
より良い就職先を探す人の数という点で注目される「Job leavers」は77万8000人で、4月の82万4000人を下回りました。
繰り返しますが、5月の季節調整をした雇用者は1億4489万人で、前述のように55万9000人の増加でした。一方で、季節調整をしない原数字ですと、1億4538万人で、前月比では97万3000人の増加となります。
この原数字は、4月も3月比で109万7000人増加しています。原数字の伸びは、2か月間累計で200万人以上増加しています。季節調整をしない原数字では、毎月、100万人規模の雇用者増加が続いています。











