「ADP5月雇用統計、97万人の増加」
「ISM5月サービス業PMI、再び過去最高値」
「良い経済指標→でも米国株は上がらず」
3日の米国株は下げました。ニューヨークダウの下落率は0.07%、ナスダック総合指数は1.03%でした。
民間調査機関のADPが3日発表した5月の雇用調査では、非農業雇用者の増加数が97万8000人となりました。この3か月の増加人数は以下の通りです。
1月 196000人
2月 180000人
3月 519000人
4月 654000人
5月 978000人
着実な増加実績を示しています。5月の増加数97万人のうち、85万人をサービス産業が占め、その半分の44万人が「レジャー・接客業」です。ワクチン接種進展に伴うサービス産業の雇用増加が確認されました。
本日の米国時間には、労働省から5月雇用統計が発表されます。1か月前に発表された4月雇用統計では、非農業雇用者増加数が26万6000人にとどまりました。
実は、4月雇用統計では、季節調整をしない原数字では109万人も増加しています。季節調整の動向によって振れる可能性があります。計算上の要因によって、振れることはありますが、米国の雇用が大きな方向性では改善していて、米国経済が拡大しているとの基本事項に変化が出ることはないと考えられます。従って、雇用数字が悪くても、株式市場が大波乱になるとの可能性は小さいと考えられます。
むしろ、非農業雇用者の増加数が100万人を超えるような状況になった時には、金利上昇面に関心が集まる可能性があります。
3日の米国株は、雇用で良い統計が発表されても、上昇しませんでした。一方で10年債利回りは0.04%ほど上昇して1.63%まで上昇する場面がありました。雇用データは株式市場よりも債券市場へのインパクトが考えられます。
昨日のナスダック総合指数の下落率が1%超と比較的大きくなったのは、債券利回りの上昇がネガティブに捉えられて面があるのでしょう。雇用者数急増→債券利回り上昇→ナスダック株式への影響――というサイクルに注意しておくべきでしょう。
ISMが3日発表した5月のサービス業PMIは64.0(+1.3)となりました。3月の過去最高値63.7を上回りました。過去最高値なので、文句なく強い数字ですが、株価は上がりませんでした。
繰り返しますが、強い経済データが明らかになっても株価が上がらない1日でした。だからと言って、株式を積極的に売る行動も理屈に合わないので、株価の方向性は上に向かっていると考えるのが適切です。
さて日本株です。昨日のTOPIXは先週の取引時間中の高値を更新しています。米国の景気が強い一方で、米国株の短期的な上値は重く、でも中期では株価上昇余地はあるだろうと考えられる状況では、先行した米国株以外の対象を「出遅れ対象」として買い付ける動きも考えられます。日本株投資にとっては悪い環境ではないと考えています。
日本経済新聞4日付商品面には「鋼材価格が全面高」の大きな見出しの記事が掲載されていました。自動車や建設機械向けの鉄鋼価格上昇が目立っているそうです。
日本の鉄鋼株は5月11日前後に高値を付けた後、けっこう大きく下げる場面がありました。上海先物取引所における主要鉄鋼価格(ホットコイル)の価格が2割下落したことを受けたものですが、実際の世界の鉄鋼需要は強く、取引価格も上昇していることがわかります。鉄鋼の世界最大手アルセロールミタルの3日の米国市場における株価は2%ほど下げていましたが、ほぼ52週の高値であり、鉄鋼価格が下落しているような株価水準にはありません。











