「ユニクロ、5月既存店売上高が前年割れ」
「1年前の5月は18%減少なのに...」
ファーストリテイリングは2日、国内ユニクロの5月の月次売上高を発表しました。「既存店+Eコマース」の売上高は前年同期比0.6%の減少となりました。
今年5月の営業状況は、商業施設の営業停止がネガティブな要因になりました。しかし、昨年の5月はもっと厳しい状況にありました。昨年2020年の5月の売上高は前年同期比18.1%の減少でした。
18.1%も減少した昨年5月との比較でも前年同期割れになったのですから、厳しい数字と受け止められます。
小売業の今年5月の売上高については、前年同月と比較すれば、プラスになるのが一般的です。繰り返しますが、これは前年同期が大きく落ちた反動です。靴のABCマートが昨日発表した5月売上高は前年同月比+7.3%、ライトオンは同じく+28.4%となっています。1日に発表された百貨店売上高については、高島屋が+57%、三越伊勢丹は2.6倍になっています。
このような観点から、国内ユニクロの5月の成績には厳しい目が向けられる可能性があります。前年同月と比べた減収は、外部要因ではなく、企業側の要因にあったと考えざるを得ません。会社側でも、5月減収の要因として「商品のニュース性や情報発信が不足していたことで販売に苦戦したこと」を挙げています。
ファーストリテイリングの高値は3月2日の110500円でした。振り返ると、その2日後の3月4日に同社では「3月12日から全ての商品価格を総額表示に変更し、これまでの商品本体価格を、そのまま消費税込みの価格にする」と発表しています。
つまり、「本体価格1000円+消費税」で販売していた商品を「税込み1000円」で販売し、実質的な値下げを遂行しています。株価については、その発表の2日前に史上最高値を付けて、その後、3月25日に82570円まで下げ、昨日2日の終値は88770円でした。
株価を直視すると、「実質大幅値下げ」の戦略を、投資家はネガティブに捉えたことになります。5月の既存店は、客数で19.2%増加する一方で、客単価は16.6%低下しました。客単価の低下を客数の増加でカバーできていません。
世界的に原材料や労働コストの上昇が避けられない中で、値下げ戦略が正しかったのかどうか、今後もマーケットは検証していくことになるのでしょう。
言い方を変えれば、日本の小売市場はそれだけ厳しい環境にあるのでしょう。少子高齢化、人口減少で構造的な需要不足状態にあって、世界的なコスト増加を販売価格に転嫁できない消費市場とあれば、今後、日本から撤退する企業が増えていく懸念も生じます。
2日の米国株は小動きでした。映画館運営のAMCの株価が1日で2倍になって62ドル台となりました。出来高は約7億4000万株でした。ざっと平均単価を日本円で5000円として、7億4000万株の出来高ならば、売買代金は3兆7000億円です。凄いですね。株価全体の動きが一服する中で、個別企業への買い意欲が強い状態が続いています。











