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「先週末日本株大幅高の背景は?」

「ドイツ株価水準、ワクチン接種進展見据えた日本株保有比率の引き上げはあるか」

「本日発表の中国5月PMIに関心」

 

 

先週末28日は、とにかく日本株の上昇が目立ちました。他国の28日の株価を見ると、台湾株の1.6%上昇が、やや目立つくらいで、世界的には、さほど上昇している訳ではありません。従って、日経平均の600円高、2.1%高については、日本株の独自要因と考えられます。

 

 

まずは、先週金曜日の日本株大幅上昇の背景要因を考えてみましょう。時系列的に出来事を整理します。

 

 

27日の引け値で、「MSCI指数」の銘柄入れ替え、日本株の29銘柄除外が行われました。

 

 

27日の引けた後、海外の取引において、日経平均先物は上昇を始めました。時期的な出来事を考慮すると、やはり27日の日本株に対する「MSCI指数における大量除外」の影響を確認した後、海外投資家による日本株を買い戻す動きが強まったとの考え方になると思います。

 

 

以下に5月に入ってからの日本株の空売り比率を掲載します。

 

5月

6日   39.3%

7日   39.7% 

10日  39.0%

11日  47.2%

12日  48.1%

13日  47.4%

14日  44.2%

17日  44.9%

18日  39.6%

19日  47.1%

20日  43.9%

21日  41.6%

24日  42.5%

25日  41.1%

26日  42.4%

27日  44.3%

28日  35.8%

 

 

日本株の下落が見られた11日以降、空売り比率が急上昇しました。日本時間12日朝に、MSCI指数からの日本株大量除外が発表された後、空売り比率は40%以上の高水準をほぼ毎日のように続けていました。

 

 

しかし、日経平均が600円上昇した先週末金曜日、空売り比率は急低下して、35.8%となりました。売りから入る投資家が大幅に減少して、買い戻しを先行させた投資家が増えたことを示します。

 

 

28日の売買代金は約3兆1000億円と、最近では高い水準になっています。先物が買われて、全体が上昇していった面はありますが、現物株の商いが高水準になっているので、日本株をポートフォリオ内に組み入れる動きがあったのも事実でしょう。

 

 

また、空売り比率が低い水準になったことは、同時に現物株に対する戻り売り、利益確定売りを出した投資家が多かったことを示します。「空売り比率の低下」は「現物株売り比率の上昇」を示します。

 

 

日本株の上値を勢いよく買う投資家は、おそらく海外投資家ですので、28日は、買い戻しを含めて海外投資家が上値を買い、日本の投資家は戻り売りや利益確定売りを先行させたと考えられます。

 

 

今後の日本株上昇の持続力があるのかどうか、それが知りたいですね。海外投資家の日本株買いがMSCI指数のイベント通過に伴う短期的な買い戻しに留まれば、上昇は限定的です。しかし、日本の株式の保有比率を、少々時間をかけてでも引き上げるのなら、日本株の上昇には、ある程度の持続力があると考えられます。

 

 

ある程度、時間をかけて日本株の比率を引き上げるとの仮説も十分可能だと考えます。

 

 

ドイツは日本と似た産業形態にあります。自動車、機械、化学などの産業に強いドイツ株が史上最高値圏にあること、日本もワクチン接種比率の上昇への期待が高まっていること、このあたりを考慮すれば、世界の投資家が日本株の比率を引き上げる行動に動いても、さほど違和感はありません。



4月から5月にかけて欧米のサービス業の景況感は上昇しました。ワクチン接種の進展とサービス業の景況感の関係性を考慮すれば、日本のサービス業の景況感も7月頃からは改善するはずです。投資家はそのあたりを見据えた投資行動に出ても不思議ではありません。

 

 

また、先週の金曜日のこのコラムで書きましたが、21日で終わる週の日本市場の投資部門別売買状況では、信託銀行の大幅な買い越しが見られています。信託銀行の買い越しは、年金資金の日本株買い付けを連想させます。逆張りセクターの年金資金の買い付けで、日本株の下値が限定的になる期待も生じます。

 

 

なお、21日で終わる週には信託銀行の他、生損保も大幅に買い越していました。この生損保の大幅買い越しについては、かんぽ生命が日本郵政の売却株を自社株買いで買い取った結果、「生損保大幅買い越し、事業法人大幅売り越し」の構図になったようです。

 

 

海外投資家の日本株買いが持続的になるか、焦点の1つが中国景気です。本日31日には中国のPMIが5月発表されます。

 

 

国家統計局が発表する製造業PMIは、4月まで以下のように推移しています。

 

1月 51.3

2月 50.6

3月 51.9

4月 51.1

 

 

ドイツの製造業PMIの5月速報値がやや低下したことを参考にすると、中国の5月製造業PMIは4月と比べて、若干、低下する可能性もあります。中国の製造業の状況と日本の企業業績との連関性は強いと判断されているので、本日発表される中国の5月PMIの水準が注目されます。

 

 

なお、先週の金曜日に発表された、米国の4月の「PCE価格指数」は前年同期比で+3.6%、コア指数では同じく+3.1%となりました。これは、FRBがインフレ動向を見極める上で、最も参考にしているとされるデータです。

 

 

既に消費者物価指数のデータで上昇は確認されているので、米国市場では新鮮な材料にはなりませんでした、先週末金曜日の10年債利回りは、前の日との比較で0.03%低下の1.58%となりました。





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