「米国株小幅安」
「"価格上昇の継続"を確認」
「日本でも"企業物価"の上昇本格化」
週明け17日の米国株は小幅反落となりました。ニューヨークダウは0.1%、ナスダック総合指数は0.3%台の下落率でした。
17日に発表されたニューヨーク連銀の5月製造業景況指数は高止まりとなりました。現況で24.3(前月比-2.0)、先行きは36.6(同-3.2)となりました。4月と同様に、5月も、上旬は製造業のビジネスが順調な状況にあることが確認されました。
「価格上昇」が極まっていることも示されました。「支払価格」の項目は、現状で83.5(前月比+8.8)となりました。4月は「支払価格」を上昇していると答えた企業は74.7%(下落していると答えた企業はゼロ)でしたが、5月については83.5%(下落しているとの回答は引き続きゼロ)でした。もうこれ以上は上昇しないような水準まで上昇しています。
一方で「支払項目」の先行き指数(6か月後の予想値)は67.1(前月比-4.1)となりました。6か月後の支払い価格が上昇するとの回答は70.7%で4月の75.3%からやや低下しています。米国企業における「価格動向」は上昇局面にあり、6か月先の予想値を見ると、ひょっとしたらピークアウトが近いのかもしれない、というような状況でしょうか。「ピークアウトは近いのかもしれないが、その根拠は乏しい」という、曖昧な感覚だと考えます。
日本でも「価格上昇」を企業間取引において、強く認識する状況です。日銀が17日発表した「国内企業物価指数」は前月比+0.7%(3月は+1.0%)、前年同月比で+3.6%(3月は+1.2%)となりました。日本でも企業間取引の物価は上昇しています。
海外における物価上昇が国内の企業物価に反映されています。特に輸出物価指数、輸入物価指数が大きく動いています。
4月の輸出物価指数(円ベース)は前年同月比+8.2%(3月は+5.5%)、輸入物価指数は同じく+15.1%(3月は+5.7%)となりました。極めて高い上昇率です。
現在は、川上に位置する原材料の上昇が特に目立っています。以下のような表を作ると分かりやすいと思います。
前年同月比
素原材料 +24.5%
(国内品) +9.0%
(輸入品) +31.6%
中間財 +5.9%
(国内品) +4.3%
(輸入品) +15.3%
最終財 +1.9%
(国内品) +1.7%
(輸入品) +2.5%
より川上に属する「素原材料」の価格が大きく上昇して、次いで「中間財」も上昇している。輸入品の価格上昇が全体の価格に強く影響している。そして現在は上昇が乏しい「最終財」の上昇が今後、本格化していくのかどうか、日本の物価状況を考える上では、大きな焦点になります。
企業間の取引価格が原材料を中心に大幅に上昇しているのですから、より川上に位置する素材企業の収益が最初の段階では拡大していきます。その後、最終需要品に及ぶ形で、だんだんと価格転嫁が進んでいく流れにあります。株式市場では、取り敢えず川上に位置する企業の収益向上を反映して、その後、幅広い企業の利益面の改善を映して動くのが通常の姿です。
こうした価格動向は企業収益を考える上でも、当然、重要な要素になります。株式市場では、価格上昇を味方につける企業の株価についての関心が高まる段階にあると考えられます。
昨日の米国市場では、やはり素材株の上昇が目立っていました。
鉄鋼株ではニューコア(NUE)が+3.7%で52週高値を更新、USスティールも3.3%上昇です。銅のフリーポートマクモランも4.4%の上昇率でした。











