「米国4月雇用統計、予想を大きく下回る」
「しかし、原数字ならば非農業雇用者は100万人増加→米株価上昇」
「日経平均1株利益――現時点で1520円」
先週末7日に発表された米国の4月雇用統計は、予想を大きく下回る低調な結果になりました。
非農業雇用者の増加数は、26万6000人でした。3月の91万人に対して、100万人を超える水準まで上昇する期待もあったので、極めて低い数字です。3月の数字も、従来の91万人に対して、77万人に下方修正されました。
「レジャー・宿泊業」は前月比で33万人の増加となりましたが、それを除くと、3月と比べて雇用者が増えなかったという結果になります。製造業で1万8000人の減少、小売業でも1万5300人の減少です。
特に減少が目立った職種が「Temporary help services」です。一時的な業務支援≒一時的人員派遣業は、前月比で11万1000人も減少していました。
ISMの景況調査結果等には、企業側からの「人が足りない」というコメントが満載されているので、企業は人を雇用したいはずです。でも、雇用統計では、雇用者増加のペースが鈍いデータが発表されました。
企業側の要望と失業者の対応のギャップについては「失業手当が手厚いので、失業者は就職を急がず、待遇の良い職を選んでいる」という解説が一般的なようです。
細かい数字になりますが、4月の非農業雇用者数は1億4430万人で、3月比で26万人の増加でした。これは当然、季節調整値の数字です。前月比で比較する数字は、季節調整値の数字です。
ちなみに、季節調整をしない4月の非農業雇用者数の原数字は1億4439万人で、3月の1億4330万人と比べて109万人の増加でした。季節調整をしない原数字で100万人増加しているので、実際の雇用は強いと考えていいのかもしれません。
雇用統計に「Job leavers」という項目があります。「仕事を自発的に辞めた人」で、もっと良い待遇の仕事を探すために仕事を辞めた人を指します。この「Job leavers」が増えると、米国の雇用の状態が良いことを示すとの説があります。
「Job leavers」は2月の70万人が3月に77万人になり、今回4月は82万4000人となりました。順調に増えています。
今よりも収入の良い仕事を求めて、仕事を辞める人が多いということは、将来の米国民の収入の増加を示し、それは将来の米国消費の増加を示すとの考え方になります。
金融緩和状態が長期化する等、かなり都合の良い発想かもしれませんが、結果的に7日の米国株は上昇しました。雇用統計の悪い結果を受けて、朝の段階でニューヨークダウは下げましたが、結局は史上最高値更新です。
10年債利回りは一時、0.1%以上低下して、1.47%台までありましたが、その後は1.58%まで戻しました。景気動向を警戒して債券を買ったけれども、さほど長続きしなかったことになります。
7日のマーケットの動きを見ると、本来は悪材料のはずの雇用データを受けても株価が下がらなかったとの事実を受け止めなければなりません。資産運用をする上で株式は重要な存在と再認識します。
さて、日本株です。日経平均の現時点での予想PERは19.31倍、予想1株利益は1520円です。決算発表前との比較で200円ぐらい上昇しています。今週のトヨタなどの決算発表を経て、どこまで上昇するか、注目されます。
自動車産業は半導体不足の生産面への影響が警戒されています。トヨタの取引先の経営者によると、トヨタグループについては、半導体不足が現時点での生産面に影響を与えている面はないとのことでした。トヨタの生産計画に対して、半導体不足の影響は薄いと予想されます。











