「17日の米国株は上昇、債務上限問題に楽観的見方広がる」
「株高・原油高・金利高・ドル高」
「日経平均先物夜間取引、30540円まで上昇」
「米株取引開始前から日経平均先物はぐんぐん上昇」
「日本株の強さを夜間取引で織り込む→潮目の変化に注意」
「3月末比でアドバンテスト大幅上昇⇔テラダイン大幅下落、理屈に合うか?」
5月17日の米国株は上昇しました。米国債務上限問題の動向に対して楽観的な見方が広がり、買いが先行しました。上昇率は、NYダウ、ナスダック指数とも1.2%でした。
小型株が幅広く買われ、ラッセル2000の上昇率は2%を超えました。原油価格は2.6%上昇、10年債利回りは3.59%近くまで上昇、ドル円相場は日本時間朝5時過ぎに137円60銭台まで上昇しています。
株高・原油高・金利高・ドル高です。大証の夜間取引では、日経平均先物が30540円まで買われていました。
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昨日17日の日経平均は3万円台に乗せました。取引時間中において、海外投資家の日本株需要の強さが認識されます。最近は「昨日の米国株価が上昇したことから日本株が高い」とか、日本株式市場の説明に米国市況を述べるケースが少なくなっています。前日の米国株と日本株の連動性が薄れています。
本日の寄付きの段階では「米国株高受けて高い」ですかね。ただ、米国株に対する安心感が高まると、米国株比率を高める動きとなって「日本株の相対的優位性」が薄れてしまうかもしれません。
朝6時段階における日経平均先物夜間取引の終値は、米国市況を見ながら「翌日の東京市場では日経平均はこのぐらいの水準になるだろう」の意識のもとで形成されます。しかし、その価格に対して、実際の日経平均はさらに上昇するケースが増えています。
昨日日本時間17日朝6時の日経平均先物は29880円でした。そして17日の通常取引の日経平均先物終値は30060円でした。180円も上です。
朝6時(夜間取引終値) 通常取引終値(朝6時比)
9日 29040円 29240円(+200円)
10日 29210円 29140円(-70円)
11日 29050円 29120円(+70円)
12日 29130円 29420円(+290円)
15日 29570円 29670円(+100円)
16日 29860円 29840円(-20円)
17日 29880円 30060円(+180円)
(夜間取引の終値については"トレラボ225"のサイトを参考にさせていただきました)
朝6時の夜間取引の終値に対して通常取引の終値が上昇する展開が目立っています。直近7日間の「夜間取引終値に対する通常取引終値の上昇幅の合計額)は750円に達しています。1日平均で100円強になります。
このデータは、東京時間における日本株に対する需要が強いことを示します。夜間取引では購入できない日本の現物株の需要が予想以上に強いことを示します。
そして先述したように、日本時間18日早朝の段階で、日経平均先物は30500円超まで買われています。既に米国株取引開始前から買われ、日経平均先物は米株取引開始前段階で30300円台までありました。日本株の特別な強さが意識され、夜間取引で日経先物がどんどん買われるような展開です。
今後、今までとは逆に「夜間取引で買われ過ぎ、通常取引では夜間取引の終値を下回る展開が続く」と、それが潮目の変化を示すのかもしれません。
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3月末と比べた17日終値をNYダウと日経平均で比較してみましょう。(カッコ内は3月末比上昇率)
3月末終値 5月17日終値
NYダウ 33274ドル 33420ドル(+0.4%)
日経平均 28041円 30093円(+7.3%)
日経平均の上昇率はNYダウを大きく上回っています。
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個別銘柄で、半導体テスターメーカーの米国テラダイン社(TER)と日本のアドバンテストの株価を比べてみましょう。
3月末終値 5月17日終値
テラダイン 107ドル 94ドル (-12%)
アドバンテスト 12160円 13260円(+8.8%)
世界の顧客に半導体製造装置を製造販売している企業について、一方はどんどん下がり、一方はどんどん上昇する構図は理屈に合いません。短期的には、冷静な対応が必要な場面にあるようです。
5月18日朝5時40分記