「1日の米国長期金利、一時2.8%割れ」
「1日の米国株価は上昇、金利低下が下支え」
「ISM6月製造業指数、53.0(-3.1)」
「需要減少を意識して債券利回り急低下」
「発注のキャンセル、海上運賃低下の兆しも」
「サプライチェーンの混乱、最悪期を超えたか」
先週の金曜日、7月1日の米国株は上昇しました。上昇率は、ニューヨークダウ、ナスダック指数とも1%前後でした。
米国の景気・経済動向を警戒させる経済指標が発表されたことを受けて、債券が買われ、金利が低下しました。10年債利回りは2.79%台まで低下しました。前の日と比べると、0.18%も低下する場面がありました。
金利の急低下を背景に、金融政策の引き締めペースが緩やかになるとの見方も浮上します。金利低下が米国株価を下支えしました。
1日にISMが発表した、6月の製造業景況指数は53.0と前月比で3.1P低下しました。以下に示します。
ISM6月製造業景況調査(カッコ内は、前月比)
PMI(景況指数) 53.0(-3.1)
新規受注 49.2(-5.9)
生産 54.9(+0.7)
雇用 47.3(-2.3)
供給配達(遅延) 57.3(-8.4)
在庫 56.0(+0.1)
顧客在庫 35.2(+2.5)
価格 78.5(-3.7)
受注残 53.2(-5.5)
まだ水準は高いのですが、数値が前月比で総じて低下しています。
「供給配達(遅延)」が前月比で、大幅に低下しています。「モノが届かないので、発注を多めにする」という企業の姿勢に変化が出てきて、モノが届くのが遅れる、と言う事態が少なくなっています。
6月の調査において「モノが届くのが遅くなっている」と答えた企業の割合は27.4%(5月37.1%)でした。「早くなっている」と答えた企業は12.8%(5月5.7%)でした。「遅くなっている」と答えた割合が約10%Pも低下し、「早くなっている」との答えは7%Pも上昇しています。
これは、「サプライチェーンの混乱でモノが届くのが遅い」との風潮に変化が出たと考えられる重要なデータです。
価格についても、「高くなっている」は65.2%(5月70.2%)、「安くなっている」は8.3%(5月5.6%)でした。高水準ですが、前月比では低下しています。
「サプライチェーンの混乱」と「価格上昇」に潮目の変化が生じたことを示すデータです。
需給のバランスの変化によって、サプライチェーンが改善して、供給遅延や価格の数値が低下するのは好ましいことでしょう。しかし、需要が減少することは企業の売上高の減少ももたらしてしまいますので、株価は、そちらの状況を心配することになります。債券市場は、需要の減少を色濃く映しています。長期金利の2.8%割れは、5月27日以来のことでした。
ISMの公表資料には、企業側のコメントが掲載されています。主旨を以下に記載します。
「受注残は高水準だが、6月は入荷が鈍化した」 [コンピュータ&エレクトロニクス製品]
「新規受注は安定し、増加していない」 [化学製品]
「輸送用機器の需要好調続く」 [輸送用機器]
「ビジネスは数量的には予想より低調。しかし、収益は予算通り。海上運賃はようやく少し下がり始めた。既に大口受注が決まっているので、心強い」 [食品・飲料・タバコ製品]
「ガソリン・ディーゼル価格が上昇している。労働力・ドライバーの制限によりコストが増加」 [石油・石炭製品]
「受注が軟化。しかし、2021年中と2022年初頭のような高水準。" [機械]
「在庫が多くなり過ぎて注文をキャンセルする顧客もいる。でも、早く欲しい顧客向けの出荷で補えるので、生産能力は落ちていない。" [金属加工品]
「顧客在庫が多く、売上が下がってきている。今後数ヶ月は、需要に対して在庫が適切に平準化されるまで、受注は減少する」 [アパレル・皮革・関連製品]
「受注、生産は引き続き好調。しかし、材料の入手が制約になっている。受注残を食いつぶすほどの稼働ができない」 [電気機器・家電・部品]
「供給はある程度落ち着いている。アルミのコストダウンと供給制約がある。今月は疑問が多い」 [プライマリーメタルズ]
海上運賃の低下や在庫の多くなった顧客からの注文キャンセルなどについての言及が見られている点が注目されます。











