「3日の米国株は安い、ナスダック総合指数は2%近い下落率」
「非農業雇用者21万人増加(10月54万人)」
「失業率は4.2%(10月4.6%)」
「長期金利は大幅に低下、しかし、政策金利の引き締め路線は変わらず」
「レジャー・観光業の平均時給、前年同月比で12.3%の大幅上昇」
先週末3日の米国株は下げました。下落率は、ニューヨークダウが0.1%、ナスダック総合指数が1.9%でした。
3日に発表された11月の米国雇用統計において、非農業雇用者の増加数は21万人(事業所調査)となりました。10月の54万6000人に対して、増加数が減少しました。
11月の失業率は4.2%となりました。10月の4.6%に対して、大幅に低下しました。失業率は、雇用統計における「家計調査」から算出されます。家計調査において、雇用者は前月比で113万6000人(10月は35万9000人)増加しました。先述の「事業所調査」の非農業雇用者数よりも増加数が多くなりました。雇用者増加によって、失業者は54万人も減少して、失業率の大幅な低下につながりました。
「コロナ前」の失業率は、2020年2月の3.5%です。その後、2020年4月に14.8%まで上昇しましたが、ここまで順調に低下しています。4.2%は、2017年後半の水準です。
しかし、コロナ前と比べると、労働参加率の回復が鈍いことが問題です。コロナ前の2020年2月と比べた、現状の労働参加率や雇用者、失業者の水準を以下に記します。(単位 1000人、%)
2020年2月 2021年11月
16歳以上の人口 259628 262029
労働参加者 164448 162052
労働参加率 63.3 61.8
雇用者 158732 155175
雇用者比率 61.1 59.2
失業者 5717 6877
失業率 3.5 4.2
コロナ前と比べて、16歳以上の人口が240万人増加する一方で、労働参加者は239万人も減少しています。労働参加者が減少した結果、労働参加率は、大きく低下しています。
雇用者は355万人も減少しています。極めて乱暴な計算になりますが、11月の労働参加率をコロナ前の63.3%として、労働参加者の数を試算すると、1億6586万人となります。労働参加者1億6586万人を前提に、雇用者が1億5517万人のままとすると(繰り返しますが、乱暴な計算です)、失業率は6.5%前後となる計算です。失業率は順調に低下していますが、雇用者数の回復は鈍いと受け止められます。
3日の米国10年債利回りは、1.343%と、前日比で0.105%Pも低下しました。10年債利回りの急低下は、債券市場に流れ込む資金の増加、米国景気動向への警戒感を示しています。
一方、米国2年債利回りは、0.002%上昇して、0.593%となりました。一時は0.64%台まで上昇しています。2年債利回りの上昇は、米国の政策金利については、将来的な引き上げの路線は変わらないとの認識が反映されています。
雇用者の回復は鈍い雇用統計の内容を反映して、10年債利回りは大幅に低下しました。しかし、金融当局の引き締め路線が変化するとは見られていません。景気見通しは悪化しているのに、金融引き締め路線は変わらない、株価にとっては、厳しい環境です。
インフレへの警戒感は増し、金融引き締め路線は変わらない構図になります。民間企業の平均時給は31.03ドルと、前年同月比で4.79%の上昇となりました。10月の上昇率(4.87%)と、ほぼ同じでした。なかでも、人手不足に苦しむレジャー・観光業の時給上昇が目立っています。以下に示します。
レジャー・観光業の平均時給
2021年10月 19.04ドル(+11.2%)
2021年11月 19.20ドル(+12.3%)
時給の上昇は、消費を考える上では良いことです。しかし、急激な上昇は物価上昇の許容・インフレ率の上昇につながります。政策金利動向の読み方に変化が出ないのも、この時給の上昇が影響していると考えられます。











