5月30日の株式市場を前に。
「27日の米国株は大幅上昇、ナスダック指数3.3%高」
「4月のPCE(個人消費支出)の価格指数、上昇率が鈍化」
「前年同月比+6.3%、前月比+0.2%にとどまる」
「政策金利見通しの織り込みに自信」
先週末27日金曜日の米国株は上昇しました。上昇率は、ニューヨークダウが1.7%、ナスダック指数が3.3%でした。きれいな右肩上がりの日中足を描き、NYダウ、ナスダック指数とも終値がほぼ高値でした。だんだんと上げ幅を拡大した1日でした。
商務省から27日発表された、4月のPCE(個人消費支出)の価格指数は、前年同月比で+6.3%、前月比で+0.2%でした。以下に示します。
米国商務省27日発表(単位、%)
価格指数 (前月比)
12月 1月 2月 3月 4月
PCE 0.5 0.5 0.5 0.9 0.2
PCE(食品・エネルギー除く) 0.5 0.4 0.3 0.3 0.3
価格指数(前年同月比)
PCE 5.8 6.0 6.3 6.6 6.3
PCE(食品・エネルギー除く) 4.9 5.1 5.3 5.2 4.9
前年同月比、前月比とも、物価の伸びが鈍っています。特に前月比の伸びが0.2%と、3月の0.9%と比べると、数値が低くなっています。インフレ進行の勢いが4月は鈍ったと解釈されます。
先週発表された「5月のFOMC議事要旨」の内容は、市場コンセンサスに沿ったものとなりました。これまでは、市場コンセンサスを上回る金融引き締めペースが明らかになり、それを市場が織り込みに行かなければならないとのパターンが続いていました。
今回のFOMC議事要旨の内容は、市場コンセンサスと一致した内容となりました。金融引き締めの対する市場の予想が、当局の姿勢に追いついたことを示します。
この欄で何度も書いていますが、当局の金融引き締めのペースを確率高く予想できるようになると、投資も以前よりも安心して実行できるようになります。「この金融政策情勢ならば、この会社の株は株価100ドルでは買えないけれども、株価70ドルなら買えるね」という発想です。
そこに、4月のインフレ指標の伸び鈍化が提供されましたので、27日の米国市場では、株を買う意欲が活発になった構図です。インフレ加速を示すデータが発表されると、金融引き締め強化の施策を取らねばならないので、再び当局の引き締めペースが市場の上を行ってしまう展開が予想されます。しかし、インフレ鈍化を示すデータが発表されれば、金融政策も引き締め方向に触れることを避けられます。
グロース株の代表であるテスラの株価は、27日に7.3%上昇して759ドルとなりました。テスラ株は昨年11月4日に1243ドルの高値を付けました。その後、今年2月24日に700ドルの安値を付けた後、4月5日に1152ドルまで戻り、5月24日には620ドルまで下げました。
大きな流れとして、テスラ株は歴史的高値を付けた後に、安値を模索している動きには変わらないでしょう。金融引き締め強化を背景に、大規模なPER調整を強いられている展開に根本的な変化が訪れたとの根拠はありません。しかし、そもそものPER調整をもたらした要因は、金融政策動向となります。それならば、市場コンセンサスと金融引き締めペースが一致する状況は、株価面における潮目の変化を示すとの考え方も可能になります。