「ISM非製造業景況指数、過去最高値」
「増税意識で金利上昇抑制」
5日にISMから発表された3月のサービス業PMI(非製造業景況指数)は63.7(前月比+8.4)と、過去最高の数字となりました。
今までの最高は2018年10月の60.9でした。前月と比べて大きく上昇し、しかも過去最高値を大幅に上回りました。
記録的な経済指標を映して、米国株は上昇しました。強い景気動向を確認して、企業収益の拡大に自信を得た投資家が株式を購入する構図です。
一方で、10年債利回りは1.704%~1.745%のレンジ内での比較的落ち着いた動きでした。足元の10年債利回りの最も高い水準は先週3月30日の1.765%でしたので、そこには届いていません。
記録的な景気指標が発表されているのですから、10年債利回りは先週の水準を塗り替えても不思議ではありません。しかし、利回りの上昇ペースは鈍っています。
先週にバイデン大統領から発表された米国雇用増加計画の中で、財源として増税が盛り込まれました。これが、債券利回りの上昇を抑制していると見られています。
イエレン財務長官は5日、世界20か国の中で法人税の最低税率を探るべきだとの考えを明らかにしました。仮に最低税率が決まれば、世界各国が企業誘致に向けて法人税の引き下げ合戦を繰り広げる動きにも歯止めがかかります。法人税引き下げレースが止まれば、各国は増税の道を歩みやすくなります。増税が可能になれば、国債の増発も防ぐことが可能になり、国債の価格下落・利回り上昇を抑制する効果が働きます。
一般的に、増税は株価を見る上では悪材料です。しかし、金利の急上昇を警戒する市場では、増税による金利の急上昇の抑制効果を前向きに解釈したのかもしれません。
将来的な株価の上昇を描く場合「金利の上昇を企業収益の拡大が吸収する」との説明が一般的です。それが、増税によって金利の上昇が抑制される一方で、企業に残る利益が減少する構図になった場合、どんな株式市況になるのか、考える価値は大きいでしょう。
ISMの発表内容では、エンターテインメント産業から次のようなコメントがありました。「南カリフォルニアの4つの施設は12か月の閉鎖の後、オープンした。複数の要因による深刻なサプライチェーンの問題が発生している。そして、カリフォルニアとニューヨークの映画館が再開したら、ものすごい需要が発生していて、労働力不足が深刻だ」
経済の再開に伴って、これまで抑圧されていた需要が一気に拡大しています。やはり、人は家でDVDを見るよりも映画館で映画を見たいのですね。
昨日に決算を発表したしまむら(8227)の鈴木社長も「緊急事態宣言の解除後は、お出かけに関連するものやエレガントなもの(衣料品)が随分動いている」と話していました。
最後に、ISM非製造業景況指数と米国10年債利回りとの関係に触れます。今回、同指数は最高を記録しましたが、これまでの最高は2018年10月です。2018年10月当時には米国10年債利回りは3.2%台と近年の最高を記録しました。その後、金利水準や利上げ意識に耐えられずに2018年末に向けて、世界的に株価は急落した経緯があります。今回は、その2018年の構図を学習しながらの、ISM非製造業景気指数最高値の意味合いを考えることになります。











