UAEに遠征してGIドバイターフを制したリアルスティールは今回が帰国初戦。初のマイル戦に挑む。今朝は馬場が開場した直後に坂路コースに入り軽快にコースを駆け上がって、全体に速いタイムが計時される中、800メートルを50秒8という好タイムを記録した。
調教後の関係者へのインタビューの内容は以下のとおり。
●リアルスティール(矢作芳人調教師)
◎ドバイターフの勝利は大きな勝利だったと思いますが?
あのレースの条件がベストではないかということで、かなり早い時期からあのレースに照準を合わせていましたので、ミッションが果たせたということが非常に嬉しかったですね。
◎レースに向けて大きな戦略があったわけですね?
そうですね。かなり早い時期(前年)から「来年の春はドバイターフ」と決めていましたので、うまく行ってよかったです。
◎矢作調教師自身にとっても大きな勝利だったと思いますが?
やはり海外では勝てないのではないかと言われたり思ったりした時期もありましたので、スタッフにとっても自信になりましたし、とても大きな勝利だったと思います。
◎帰国後の調整はどういう形だったでしょうか?
普通に検疫を終えて(ノーザンファーム)しがらきに戻しまして、そこに一度見に行ったのですが、ドバイのレース直後はかなり疲れているかなと感じた部分もありましたけれど、しがらきに戻った時はしっかり立ち直っていましたので、その時点で安田記念への出走を決めました。
◎厩舎に戻ってからはどういう形でしょうか?
レース当日には少しテンションが上がる馬ですが普段は素直で扱いやすいですし、そうした意味で気性面の成長も感じられますので非常に順調に来ています。
◎先週のウッドチップコースでの調整はどうでしたでしょうか?
先導した馬のペースが少し遅くてもう少しやっても良かったかと思いました。その分、今日しっかりやって、ということでカバーできたと思います。
◎今朝の坂路コースでの最終的な調整は何が一番の課題だったでしょう?
しっかり負荷をかけられる状態だと判断しましたので(騎乗した福永)祐一君には「しっかり追っておいてくれ」と指示しましたし、課題という点では抜け出すとちょっとフワっとする面がありますので、そこをしっかり肩鞭を入れて修正してくれていました。
◎速い時計が出ましたね?
まあ、今日の坂路は全体に時計は速いと思いますが、それでも見た目は楽そうなのに速い時計が出るということは好調の証しなのだと考えています。
◎昨年と比べて変わって来ている点はどんな点でしょうか?
筋肉量ですね。明らかに筋肉の量が増して古馬の風格が出てきたというか。それで体型、筋肉的にもマイルから中距離の馬になって来ているかなと感じます。
◎初のマイル戦が強い相手とのGIレースとなりますが?
相手に関しては考えるところではないので・・・。調整に関してはこの馬のペースでこの馬がベストになるように仕上げるだけですから、そこは普段と変わらずにやってこれたと思います。
◎東京のマイル戦への適性はどうお感じでしょうか?
まあ、イメージはいいですよね。非常に合っているのではないかと。ドバイの1800メートルが合っているのではないかと思ったような感じです。
◎兄のラングレーもマイル路線になって成績が上がっていますね?
血統面を考えても最終的な適性はそこ(マイル前後)なのかなと。リアルスティールに関しては早い時期からそう思っていました。
◎東京コースでは共同通信杯で最後に力でねじ伏せるようなレースをしましたが?
そうですね。そういう意味でも東京コースはいい条件ではないかと思っています。
◎今描いているレースのプラン、戦略はいかがですか?
レースに関してはジョッキーに任せるだけなので・・・。ただ、先に抜け出すのかな?とはイメージしています。
◎最後にファンに向けて一言お願いします。
うちの馬ももちろんですが、今世界で一番強いと思われる馬が出てきますので、ワクワクすると言いますか、当事者にとってもワクワクする面白いレースになるのではないかと思います。相手はリスペクトしていますけれど、やはりそれを負かすために努力をしていますので、他の馬も含めていい結果を残せるようにみんな努力していますので、応援をお願いします。
●リアルスティール(福永祐一騎手)
◎先週、今週と調教で騎乗して以前と違ってきた点を感じましたか?
デビュー当初からずっと乗せてもらっていたので、この馬の成長過程をジョッキーとして一番近くで見させて頂いていましたけれど、後肢の入りが逞しくなって、多分こういう成長をしてくるのだろうなとイメージしていた通りの走りになってきていると思います。
◎最後にシュッと伸ばすような形だった先週のウッドチップコースでの調教はどうでしたか?
1週前追い切りだったので、ある程度強い負荷をかけるという形だったのですが、前半のペースが遅かったので全体の時計がやや遅めでしたね。直線ではある程度負荷をかけて追って動き自体はとても良かったんですけど、正直、1週前としてはもう少し負荷をかけておきたかったという所はありました。
◎今朝は坂路でとても速いタイムが出ましたが?
矢作調教師の方からも「いつもより強い負荷をかけたい」ということだったので、僕もその方がいいと思いましたし、いつも最終追い切りはもう少し遅めのタイムで馬なりか強めの形で終わるのですけれど、今回はある程度最後まで、タイムも速かったですし、いつもより強い負荷をかけました。
◎レースに向けての感触は上々ですか?
非常にコンディションはいいと思いますし、走るフォームもどんどん良くなっています。体つきも筋肉量が増えてマイルに対応できる体に近づいてきていると思いますしね。非常に逞しくなっていいコンディションでレースに臨めるのではないかと思います。
◎体ができてきて、戦い方も変わってくるとは思いますが?
もともと2000メートル前後が適しているのではないかと思っていましたのでね。1600メートルであれば力を発揮しやすい距離、コースであると思いますし、左回りもいいですし、コーナーが2つのコースも合っていると思いますので、十分いい走りができるのではないかと思います。
◎昨年はいろいろ悔しい思いをされたと思います。その分今年は沢山勝たせてあげたいですね?
自分が乗ってGIのタイトルを取れなかった馬がドバイで強い勝ち方をして、またこうして騎乗依頼を頂きましたので、依頼して下さった方々の期待に応えたいという思いはやはりありますし、リアルスティールでGIを取りたいという思いは僕自身強いので、今回またチャンスを頂けたので、相手は本当に強力な相手になりますけれど、十分にチャンスのある馬だと思いますし、何とかいい結果を出せるように頑張りたいと思います。
◎国内ではまだ2勝。これからどんどんアピールして行きたいですね?
そうですね。馬自身も完成の域に近づいて来ていますし、これからは結果のみを求めて行く馬だと思いますから、そうした意味でもこのチャンスを生かして一緒にGIのタイトルを取りたいと思います。
◎今回のGIへ向かう期待のほどを教えてください。
初めての距離になりますけれど、前回1800メートルでも凄くいい競馬をして強い勝ち方をしていますのでそんなに不安という不安はありせんね。折り合い面も今回の倍近い距離を走っているわけですから折り合いの問題もありませんし、むしろ出して行ってもひっかからないだろうと感じていますけど。今回は昨年の年度代表馬相手のレースになりますので簡単なレースにはならないと思いますけれど、いいコンディションで臨めますので、おそらくこの舞台もこの馬には合っていると思いますから非常に楽しみにしています。
(取材:佐藤泉)

