前半は飛び飛びの今年の大型連休。最初の祝日火曜日の昭和の日はあいにくの雨模様。夜になって雨は時折強く降るようになり、明けて水曜日、ダートコースには水が浮くあいにくの馬場状態で天皇賞に向けての各馬の調整が行われた。
昨年秋のヨーロッパ遠征では、ニエル賞で英国ダービー馬を破って勝利を挙げ本番凱旋門賞でも4着に健闘したキズナ。
今年初戦の産経大阪杯ではさらに凄みを増した脚で他馬を一蹴。春の大目標天皇賞へ順調な滑り出しを見せた。
今朝は武豊騎手を鞍上にウッドチップコースに入って1頭でゆったりとした感じの入りから最後はしっかりと脚を伸ばす形の調教。かなりの好タイムを計時した。
調教後の記者会見での関係者のコメントは以下のとおり。
●キズナ(佐々木晶三調教師)
◎たった今、ウッドチップコースで調整が終わりましたが非常に満足そうな表情をなさってますね。
うん、いいですね。やっぱり(前回と)変わらないいい動きでしたね。
◎時計を見ますと先週と同じぐらいでしたが。
それだけいい状態が続いていますね。
◎興奮気味でこちらにいらっしゃいましたね。
(私の体が)太めでね。息が上がってるんですよ(笑い)。
◎馬の方は息が上がる様子がなく来てますね。
息の入りはいいですね。調教師の方がなんとかしないといけないですね(笑)。
◎最後の1ハロンも11秒台でしたね。
僕が取った時計で11秒6でしたけどね。
◎予定通りに来ているということでしょうか?
予定通りというより、大阪杯の時にしっかり仕上げましたから、そのまま行ければと思っていたんですけれど、いい状態ですね。
◎仕上げた大阪杯の状態を保っているということですか?
一戦一戦が勝負なのでね。大阪杯もちゃんと仕上げたつもりなんで。そのまま来ていると思います。
◎大阪杯は凄い勝ちっぷりでしたね。
僕もたいがい自身を持って見てたんですけどね。3コーナーで3秒ぐらい遅れていたのでね。豊ちゃん(武豊騎手)はもしかして外回りと内回りを間違えてるんじゃないかなと思ったんですけどね(笑)
◎内回りで3秒差を挽回するのはなかなかできない芸当だと思いますが。
上がり(最後の1000メートル)が57秒2ですか。スピードの持続が凄いなとあらためて思いましたね。
◎今回は3200メートルの天皇賞挑戦となりますが?
大丈夫でしょう。ロンシャンのタフな馬場で2400というのは日本の3200と同じような感覚だと思うんですね。それを1着、4着でしたからね。大丈夫だと思いますよ。
◎血統的にも筋の通った馬かと思います。
ディープインパクトですからね。
◎母系もファレノプシスから続く血統ですから、ナリタブライアンにもつながるわけですね。
あまり気にしてません(笑)
◎血統的にも(距離延長は)心配ないですか?
ないでしょう。
◎先週から始まった京都のコースはかなりの高速馬場なんですが?
大丈夫でしょう。それも。
◎レコードが出るような馬場で大阪杯のような位置からの競馬はどうか?というのは杞憂でしょうか?
(競馬の)スタイルは変えないと思いますけどね。あとは、どれだか離されて行くかというのはジョッキーでないとわからないですけどね。
◎今回が大きな目標あることは間違いないと思いますが、キズナという馬にとってはあくまで最終目標ではないと受け止めていますが。
最終目的はどこかわかりませんが、とりあえず一戦一戦がGIと思ってやってますけどね。
◎ましてや今回は天皇賞という大きなレースになりますね。
そうですね。僕にとっては全部が大きなレースなので、大阪杯も僕はGIと格付けていましたからね。天皇賞だからどうのこうのというのはないですね。
◎残り数日、天皇賞までやるべきことはなんでしょうか?
とにかく元気が有り余ってるんで、(騎乗者が)落とされないように、放馬させないようにしなくてはいけないなと思ってるんですけどね。
◎そういう状態というのはこれまでにもあったことでしょうか?
休み明け、2月19日に帰って来てから凄く元気が良くて2パワーぐらいアップして来ているので、暴れ方が半端じゃないですから、ちょっと怖いなと思うことがありますね。今までにもありましたけど、まだかわいらしいもんでしたから。今は本当に力を付けているんで、ジャンプ力が凄くなっているんで落ちなければいいなと、いつも思ってるんですけどね。
◎そのあたりはダービーと比べて馬体重が20キロ増えていたことにも現れていますか?
そうですね。あまり体重を気にしたことはないですが、ガッシリとしたように感じますね。
◎数多くのキズナのファンに抱負をお願いします。
一戦一戦大事に仕上げているつもりなので、大事に仕上げていれば力を発揮できる馬なのでいい勝負ができると思いますし、いろいろ距離不安などが囁かれてますけれど、僕自身は全く気にしていなくて大丈夫と思いますので、応援に来て下さい。
●キズナ(武豊騎手)
◎大変楽しみな天皇賞ですね。
そうですね。ワクワクしますね。
◎そのワクワクは今年はまた特別なものですか?
そうですね。今年の天皇賞は特にそういう気持ちはありますね。
◎馬の方はとても順調なようですね。
先ほど最終追い切りに騎乗したんですけど、素晴らしい動きでしたね。
◎最後は11秒台で上がって来ましたね。
少し馬場が重いので少し前半をセーブ気味に入ったこともあるんですが、最後はしっかり伸びましたね。佐々木先生の方からも「ラストはしっかり追っておくように」という指示だったので、その通り追ったんですけど、本当に馬はしっかり走ってましたね。
◎「この感触なら本番でも」という感覚を得られたように見受けられますが。
前回のレースも含めて天皇賞へ向けていい形で来てますから、あとはレース当日を無事に迎えるといいですね。
◎前哨戦の大阪杯のレースぶりにはビックリしましたが。
ビックリですかね?(笑) ビックリではなかったですけどね。レース前の調教も凄くよかったですし、僕自身は自信もありましたし、キズナらしい走りだったと思います。変わらずキズナだったなという感じでしたね。
◎キズナの話をする武さんは頬が緩む感じですね。
好きな馬ですからね(笑)。
◎初めて走る3200メートルを不安視する声もありますが。
そこぐらいしか言うことはないんじゃないですかね。初めて走るといえば初めてですし、まあやってみないとわからないですけど、大丈夫だと僕は思ってますけど。天皇賞を走るのは決まっているわけですから、僕自身が今更心配しても意味がないですし、自身を持って乗りたいと思います。
◎前回、武さんが天皇賞を制したのはディープインパクトの時でした。その子供での天皇賞となりますね。
ディープインパクトの天皇賞は衝撃的というか改めて驚いたレースでしたから、その子で出られるのは嬉しいですね。
◎お父さんと違うところはありますか?
もちろん馬が違うわけですから当然ありますが、でも共通している部分もありますし・・・。でもキズナはキズナですからね。楽しみですよ。
◎共通している所は特にどんなところでしょうか?
脚が速いところですね(笑)。
◎父と同じように天皇賞を勝つというのは大変なことだと思いますが。
ダービー馬ですからね。それだけの馬ですし、ダービー馬で天皇賞に出るということはとても意味のあることだと思いますし、キズナにとっても非常に充実期に入ったかなと思いますし。昨年はまだ乗るたびに成長を感じる馬でしたが、いよいよ本格化してきたかなというのは今年になって感じますね。
◎改めて天皇賞への抱負をお願いします。
この春の大目標ですし、ここへ向けて万全の態勢で来たと思います。あとは僕がしっかり乗れば結果はついてくると思うので、思い切って乗りたいですね。
(取材:佐藤泉)

