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4月14日(日)に中山競馬場で行われる第84回皐月賞(GI)に出走を予定しているジャンタルマンタル(牡3、栗東・高野友和厩舎)について、高野友和調教師の追い切り後の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「前走の共同通信杯は、重賞にしてはとてもスローなペースで前半進んで、究極の上がり勝負という内容でしたが、この馬にとって、勝ち切るという意味では難しいレースになったと思います。ですが、ジョッキーには次走で2000mを使う方針だということを伝えてのレースでしたから、ジョッキーもその意図をくみ取って、このレースだけを勝ちに行くというよりは、次走を見据えた乗り方をしてもらえました。スローペースでしたから、前半のおさまりは理想通りには行きませんでしたが、アクセルとブレーキを同時に使うような中でも最後の上がりは使えていましたから、馬の能力は十分に感じることができたレースだと思っています。負けましたが、評価はしていいレースではないかと、自分の中では思っています。

前走後は、2歳の時から結果が出ていたこれまでのパターンを踏襲して、山元トレセンに放牧に出しました。牧場で競馬の後のケアと立ち上げをしっかりしてもらったおかげで、短い時間でしたが、栗東に戻ってきた時には十分リフレッシュ効果も感じましたし、張り、ツヤ、皮膚の薄さ、すべてがいいと思いました。

競馬をジョッキーに委ねる以上は、安心安全にレースを進めるために、馬の性質や操作性など、これなら大丈夫だという状況を作ってジョッキーに渡すべきだと思うのですが、今回の調整でも、追い切り以外のところで、いかに乗りやすい馬にするか、穏やかにしていくかという部分にフォーカスして進めてきました。

トレセンに戻って3本追える日程で帰厩したのですが、3週とも同じコンセプトでやりました。追い切りで能力アップをしようとか、そういうおこがましいことは考えず、前半穏やかに進めていって、そこでの人馬のリズム、馬が一番走りたがるところでも人の方に意識を向けて我慢する時間を作って、残り1ハロンのみ、短い時間ですが、体を大きく使って心臓を動かして肺の奥まで空気を入れるというイメージでやっていました。

きょうの追い切りも、坂路で、同じコンセプトでやったのですが、馬が乗り手の方に意識を向けていないと刻めないラップで来ることができたのではないかと思いますので、おおむねやりたいことはできたと思いますし、最後の1ハロンの反応も、力が無いと出ない時計でしたが無理はせずという感じで、本当にいい最終追い切りだったと自分では思っています。

もともと競馬では上手に走れていると感じていたのですが、朝日杯フューチュリティステークスと、共同通信杯と、道中で少しハミを噛むところが見受けられました。その中でも結果は出してきましたから、完成度は高かったと思いますが、クラシック路線を戦うにあたっては、さらに相手も強くなっていく中で、これまで通りの走りをしていたのでは苦しいところも出るかなと思いますので、上手に走らないといけない、その一点です。その課題に取り組んでいます。

共同通信杯が終わった直後のジョッキーの感触では、のちのちは距離の問題も出てくるであろうということのようでしたが、やってみないとわからないというのが正直なところです。操作性を高めて、距離の壁がもしあるのであれば、一滴のエネルギーも漏らさないように道中進める必要があるということで、そうなるように、日々取り組んでいるところです。

2歳のGIは勝つことができましたが、皐月賞はさらにメンバーも強くなって、容易ではない戦いになるとは思います。相手がいることなので、結果はやってみないとわかりませんが、厩舎としては、馬を最高の状態にして、その状態がしっかり発揮できる状況にした上で、安心して川田騎手に任せるというところでやっています。その状況で渡せたら、あとは騎手にお任せして、他の馬の最高の状態で来ているでしょうから、全頭で、いいレースを、安全にできたらいいと思っています」

(取材:三浦拓実)

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