お知らせ:

競馬実況web

3月31日(日)に阪神競馬場で行われる第68回大阪杯(GI)に出走予定のローシャムパーク(牡5、美浦・田中博康厩舎)について、共同会見での田中博康調教師のコメントは以下の通り。

「(香港カップを振り返って)入厩してから10日弱、飼葉を少し食べられない日が続いて、調整自体は遅れていましたが、最善を尽くしてやっていこうというところでした。これだけの馬ですから、とても良い動きをしていましたし、中身の面でも十分やれるのではないかということで、出国検疫へ入りました。少しずつ食べられるようにはなったのですが、いつもはこういうことはなかったので、いつもと違う状態で香港へ行くことになりました。動きは十分かなと思って送り出しましたし、競馬も外枠で少し後手を踏みましたが、そういうところのある馬ではあります。結果を出せなかったことは厩舎として受け止めています。

(中間の調整過程は)日本に戻ってから天栄へ放牧に出まして、そこからは順調に過ごせていました。明け5歳になり、すごくフィジカルが成長したなというのは、誰が見ても感じるところだったので楽しみにしていましたし、帰厩してからもそれは感じられます。精神面はもう少し成長してほしいと思っていますが、この馬自身、結果を出している時から幼さが目立っていたので、そういった面では少しずつ良化してきていると思います。今回は飼葉の不安もなく、むしろ飼葉食いが旺盛で、そういうタイプではあったので、不安なく調整ができています。

一段ベースが上がったという認識で、今日に限らず、調教量はこの馬にとってちょうどいいところを目指して増やしています。先週は戸崎騎手に確認してもらって、良いバランスでした。一時はすごく伸びがちな走り、フレームの長い走りで少し乗りづらさ、溜めが利きにくい馬ではあったので、そのあたりが少しでも乗りやすいバランスに持って来られるかをテーマに調整しています。今日は乗り慣れた上野翔騎手にそのあたりを確認してもらいました。良いバランスで溜めが利くような走りができました。

香港を経て、結果は出ませんでしたが、何かしら思うところがあったのか、気持ちの面で耐えられるキャパが大きくなったなと思います。また、もともとどちらかと言えば体力のある方でしたが、ここにきてベースがさらに上がったと感じます。強い調教を課していますが、それに耐えられるだけの馬になってきたと思います。

一生懸命に走るところ、手を抜かないところが武器でもあり、弱さにもなっているケースもありました。どちらかといえば、パフォーマンスを常に発揮できる気持ちの強さが大きいと思っています。

小回りの競馬場に対応してきましたし、(阪神コースは)それほど大きく不安は感じていません。香港遠征は経験していますが、国内で言えば長距離輸送ということになるので、そのあたりを考えたうえで調整しています。良いパフォーマンスを出せればと思っています。

(理想とする展開は)スタートが安定しないところがひとつの課題ではあって、その修正にも取り組んでいて、対策もしてきていますが、スタートが安定しないのはおそらく残ると思うので、正直読めないところはあります。長く脚を使えるので、それを活かせるようなポジション取り、レース運びは、ジョッキーと相談して、この馬のストロングポイントを活かせるようにと思っています。先週、(戸崎騎手に)乗っていただいて、成長も感じていただけましたし、競馬では2回乗っていただいて、1回(2023年1月の2勝クラス)はとてもスムーズな良い競馬で、楽に、わりと良いメンバーだったと思いますが勝ち切ることができました。もう1回、3勝クラスで乗っていただいた時は、正直、良いコンディションで送り出せなかったということがあるので、そのマイナスイメージが残らないようにと思っていましたが、先週乗っていただいた時点では無さそうでした。競馬に関しては枠順もありますし、発表されてから、ということになると思います。

こちらとしては馬場が悪くても走れると思っていて、道悪を苦にする走りのバランスではなく、馬場が悪い時に負けたこともありますが、それは馬場というより状態面の問題だと思っています。タフになるならなるで、それがプラスに働くかはわかりませんが、大きくマイナスになる感覚はないです。

やはり、大きな舞台で勝ち負けできる馬だと思っています。秋はそういったメンバーと対戦して勝つことができています。(国内の)明け4歳世代とはまだ戦っていない状況なので、力の比較はつきませんが、自分としても、厩舎としても、海外ではありますが、前回大きく負けてしまった反省を活かして、挽回したいという思いで臨みます。何とか上位へ食い込めるだけの状態に持って来られたと思っています。みなさま、応援よろしくお願いします」

(取材:山本直)

お知らせ

お知らせ一覧