5月28日（日）に東京競馬場で行われる第90回日本ダービー（GI）に出走を予定しているサトノグランツ（牡3、栗東・友道康夫厩舎）について、友道康夫調教師の追い切り後の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「今年もこの週がやってきたという気持ちで、気を引き締めて、この週を迎えました。ドウデュースからあっという間の一年で、今年も有力馬で参加できることは、調教師にとってはありがたいことだと思っています。ダービーは、ドウデュースの前にマカヒキとワグネリアンで勝たせていただいて、それぞれ連覇を意識していたのですが、どちらも翌年はダービーに出走できませんでした。今回、ようやく連覇というチャンスが巡ってきたので、何とか生かしたいと思っています。

京都新聞杯は、この馬の特徴と言いますか、エンジンのかかりが遅い馬なので、ああいう競馬にはなると思っていたのですが、最後までジョッキーがあきらめずにしっかりと追ってくれて、差はわずかでしたが、強い内容だったと思います。この馬の特徴で、エンジンのかかりは遅いのですが、長くいい脚を最後まで使ってくれるところが良いところだと思いますので、川田騎手とは一番合っているコンビではないかと思っています。

もともと体も緩い馬だったのですが、徐々には良くなってきています。まだまだこれから良くなってくると思いますが、何とかダービーには間に合えたと思っています。

前回からレース間隔も開いていないので、強い追い切りも1回ぐらいかなと思っていましたが、案外馬体の回復も早く、週明けの水曜日ぐらいから乗り始めたような感じです。前回の大きなダメージもありませんでしたので、先週の日曜日（21日）に、CWの左回りを利用してしっかりと追いました。左回りでスピードに乗る調教をしたかったので、日曜日の左回りを利用して追い切りました。併せ馬でしたが、終いの反応も良かったですし、息の入りも問題無かったです。前走のダメージも無いですし、ダービーに向けていい調子で行けると思います。

最終追い切りは、坂路で、55秒ぐらいで、終い1ハロンか2ロンぐらいちょっと伸ばす程度にということだったのですが、終い1ハロンは11秒台が出て、ゴールしてからも勢いは良かったですし、いい感じで仕上がったと思います。前走以上の具合の良さだと思っています。

東京も一度経験していますし、広いコースの2400mが合っていると思います。直線の長いコースが合っていると思います。

（皐月賞組との力関係は）こればかりはやってみないとわからないのですが、一戦ごとに力をつけてきて、3連勝で、力をつけてきていますので、いい競馬ができることを期待しています。よーいドンの競馬よりも、ある程度流れてくれて、たぶん後ろからの位置にはなると思いますが、届くような競馬になればいいと思っています。

この馬の父のサトノダイヤモンドは、マカヒキの時の2着の馬で、心に残っています。今回はマカヒキで勝った時の川田騎手で、担当の助手もマカヒキと同じで、何とかサトノダイヤモンドの無念を、ここで、僕らの力で、晴らせればいいと思っています。すごい巡りあわせです。あの時も接戦でしたが、サトノグランツも、サトノダイヤモンドのような勝負根性を持っていますので、接戦になれば最後は力を出してくれると思います。

サトノグランツを預かる時から、サトノダイヤモンドの産駒ということで、うちの厩舎とも縁を感じていましたので、何とかこの馬でダービーに出走して、いい競馬をしたいと、預かることが決まった時から思っていました。やっとここまで来ました。馬は具合良く出走できると思います。応援よろしくお願いします」

（取材：三浦拓実）