4月30日（日）に京都競馬場で行われる第167回天皇賞（春）に出走を予定しているブレークアップ（牡5、栗東・吉岡辰弥厩舎）について、追い切り後の吉岡辰弥調教師のコメントは以下の通り。

「前走の阪神大賞典は、斤量的にもそれほど有利とは言えない状況だったのですが、その中で、距離延長、初コース、斤量、すべて克服してくれて、非常にいい内容だったと思います。転厩初戦でしたが、苦労した点は無くて、美浦からの転厩でも栗東の環境にすぐになじみましたし、厩舎にもすぐなじんで、ここまで大事に育てられてきたのだろうという印象を持ちました。前走は初めての距離が一番のネックだったのですが、レース後、松山騎手とは、道中の折り合いも良かったですし、しっかり我慢も利いて、そのぶんしっかり最後も脚を使いましたということで、距離に関しては全く問題無かったという話をしました。

前走の後は、気持ちの上でリフレッシュさせるために一度短期で放牧に出しました。栗東に戻してからもいつものうちの厩舎のリズムで調整してきて、馬の方は非常にいい状態で来たと思います。一週前は土曜日（22日）に強い追い切りをしたのですが、3番手から大外を回すという、かなり負荷のかかる調教でした。調教で動く馬と併せて、その中でも最後までしっかり動き切って、非常にいい負荷がかかったと思っています。

先週で強い追い切りは終えているので、今週は松山騎手に乗ってもらって、馬なり程度でしたが、馬場がかなり重い中でも苦にせずスイスイ（坂路を）上がってくる感じで、非常に状態の方は良く感じましたと聞いています。思っていた通りに仕上がってきていますし、先週の追い切りを受けてのきょうの動きも非常に良かったですし、計算通りというか、いい状態に来たという感じです。きょうの追い切りに乗った松山騎手のコメントでも、前回よりも行きっぷりが良い、馬の動きが軽いということでしたので、一度使った効果はすごくあるのではないかというイメージです。

前走の内容を見ていると、折り合い面や、道中の感じから、距離に関しては今回も全く心配していません。この馬の特徴でもあるのですが、初めての環境とかコースとかに戸惑うことなく、対応する力が強いところがあります。新しくなった京都競馬場はどの馬も初めてですから、初めてのコースに戸惑わないのが有利に働くのではないかと思います。GIですが、阪神大賞典もメンバーは強かったので、気負いというか、気持ちの面で負けるようなところは今回も無いと思います。

自分も京都出身で、小さい頃から京都競馬場のまわりで育ちましたので、そういう意味ではグランドオープン最初のレースを勝てた（管理馬のウィズユアドリームが勝利）のは嬉しいですし、最初のGI、大きいレースに出させていただけるというのも感謝の気持ちでいっぱいです。京都の3200mはこの馬にはぴったりだと思いますし、ここでいいレースが出来ればこの先楽しみになると思います。馬の方も精一杯頑張ると思いますので、応援よろしくお願いします」

（取材：三浦拓実）