4月16日（日）に中山競馬場で行われる第83回皐月賞（GI）に出走を予定しているべラジオオペラ（牡3、栗東・上村洋行厩舎）について、上村洋行調教師の追い切り後の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「新馬戦はなかなかのハイレベルのメンバーで勝つことが出来ましたし、2戦目も初の輸送、初の東京競馬でいいレースをしてくれましたし、3戦目は1戦目2戦目とは違ったレース内容で勝ってくれて、3戦ともに評価できるレースをしてくれました。正直、まだまだ馬が緩いので、デビューさせる時も、何とかデビューできるぐらいまでは仕上がったかなという感じだったのですが、それでいてああいうレースをしてくれたので、将来が楽しみになってくる馬だと思いました。

この馬は2歳の千葉サラブレッドセールで買っていただいたのですが、北海道に足しげく通って選んだのがあの馬で、ロードカナロアの産駒にしては大型で、ちょっと線も細いかなと思ったのですが、奥のありそうな雰囲気を持った馬でした。そういう部分もあってデビューも2歳の11月と遅めだったのですが、成長して、3連勝でクラシックに臨めるという形に来てくれただけでも、いい意味で期待を裏切ってくれたという感じです。前走は厩舎にとっても初重賞でしたし、それがクラシックのトライアルとなると、喜びもまた一段と違いました。

初戦、2戦目と少頭数で、スプリングステークスが多頭数だったので、前走はそれを危惧された方もいたと思いますが、もともとスタートも速い馬ですし、操作性も高い馬ですし、多頭数に関してはそれほど心配していませんでした。むしろ、馬場状態が良くなかったので、そのあたりをジョッキーと相談して、どう乗ろうか、どういうレースをさせようかということは思っていました。こちらが思っている以上のパフォーマンスでクリアしてくれたと思います。

いつもは一戦使うごとに放牧を挟んでいたのですが、今回は在厩調整で、スプリングステークスの疲れを取って、一週間は完全にオフにして、翌週から徐々に徐々に立ち上げていって、本番に向けて乗り込んできました。中3週のローテーションで、初めての在厩調整というのは課題でしたが、いい状態で出すことができるのではないかと思います。

もともと、横山武史騎手には、スプリングステークスの前から本番（皐月賞）は乗れないということを言われていました。それはこちらも理解していて、勝った後にジョッキーを探すことになったのですが、田辺騎手なら中山も良く知っているでしょうし、GI経験も豊富でしょうし、乗れるトップジョッキーなので、そこは自信を持って依頼しました。田辺騎手には1週前追い切りに乗ってもらいました。馬が緩いというところは聞いていたらしいですが、実際に乗ってみたら思っているほどではなかったと言っていました。先週の追い切りでは合格点をあげられるのではないかとも言っていました。

1週前追い切りは、この馬の背中を田辺騎手に確かめてもらいたいという意図が一番で、1週前なのでそれなりの時計は出していますが、最後の1ハロンに関しては感触を確かめる程度にやってもらっていいという指示を出しました。1週前としては合格点というか、いい状態で1週前追い切りが出来たと思います。今週は、先週しっかりやっているので、息を整える程度の追い切りで、疲労を残さないようにやりました。1週前、今週と、イメージ通りに来ていると思います。まだ先のこともありますし、1つ目のタイトルを取りにいく上では、いい状態で出せるのではないかと思います。90点ぐらいはつけられるでしょうか。あとの10点は、ダービーや将来性を見据えた分の点数ですね。

輸送に関しては問題無いですし、距離も2000mになりますが、前走も2000mのようなレースをしていたのではないかと思いますので、距離が延びても心配する点は無いと思います。2400mも視野に入れて調整はしています。

一番の長所はレースセンスの良さです。スタートも速く、操作性も高く、ジョッキーも乗りやすいでしょうし、レースもうまいです。一戦ごとにこちらが思っている以上のパフォーマンスで応えてくれています。期待以上の走りをして結果を出してきてくれる馬なので、今回もそれを期待しています。良馬場ならもっといいパフォーマンスを出せると思います。重馬場でも走れますし、少々渋っても前走で経験済みなので心配ないですが、出来れば良馬場でやりたいです。ポジションは、スタートを切ったなりの、ジョッキーの判断に任せようと思います。

まだまだ緩さを残す馬ですが、それを踏まえても、1戦目からハイレベルのメンバーで結果を出していますし、2戦目もこちらが思っている以上の競馬をしてくれましたし、前走のスプリングステークスも今までとは違った戦法であれだけの競馬をしてくれましたし、今回も自信を持って本番に向かうことができるのではないかと思います」

（取材：三浦拓実）