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11月27日(日)に東京競馬場で行われる第42回ジャパンカップ(GI)に出走を予定しているヴェラアズール(牡5歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)について、渡辺薫彦調教師の追い切り後の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「今年に入って、芝替わりもそうなのですが、馬が充実してきたというか、パンプアップして、つくべきところに筋肉がついてきてというイメージがあって、それが結果として出てきているという感じです。もともと、どこかで芝のレースを使いたいという思いはずっとあった馬だったのですが、ちょっとデビュー前から骨折だとか骨瘤だとか体質の弱さがあって、長く使うためにはダートから行ってみようという形でダートに行っていました。年齢を重ねることによって体質も強化されてきていましたので、そろそろ芝にチャレンジしてみてもいいかなという感じで、芝のレースを使うようになりました。

6月に3勝クラスを勝って、夏休みという形でノーザンファームしがらきに放牧に出して、帰ってきて馬がまたすごく良くなっていました。前走の京都大賞典は、追い切りの動きも良かったですし、初めての重賞でもある程度やれるのではないかという思いはあったのですが、正直なところ、こちらが思っている以上の末脚を見せてくれました。ちょっと驚くぐらいの脚でした。相手も揃っていたのですが、完勝と言える内容だったのではないかと思います。もともとそんなにスタートは速くない馬で、ダートの時は意識的に位置を取りに行って折り合いを欠くようなところもありました。芝に替わってからは、いろいろなジョッキーが乗ってくれているのですが、そのあたりをいろいろ考えて、折り合いつける工夫をして乗ってくれているのが、今になって実になっているのかなと思います。上がりもこの5戦は全部最速で、そこはこの馬の一番の武器だと思っています。しっかり折り合いさえつけば伸びてきてくれる馬だとは思っています。

前走の後は、短期放牧という形でノーザンファームしがらきに出して、3週間前に帰厩させました。特に問題無く、順調にここまで来ていると思います。(ジャパンカップを使うことになったのは)東京コースがすごく合うという点です。当初は香港というプランもあったのですが、オーナーサイドとも協議して、ジャパンカップということになりました。

1週前の追い切りは、松山騎手に乗ってもらって、しっかり負荷のかかった、いい追い切りができました。先週しっかり負荷がかかっているので、今週は、週末に疲れが残らないように、テンにゆっくり入って終い重点でという指示でやりました。ある程度時計は出てしまうだろうと思ってはいたのですが、及第点の時計だと思いますし、終いも馬なりで伸びてくれていますので、順調そのものだと思います。上がってきた後の息遣いも問題ありませんでした。レースに向けては万全な状態で挑めると思います。前走は休み明けということもありましたが、前走もそれなりに仕上がっていました。同じぐらいのデキか、それ以上のデキではあると思います。

GIで、また一気にメンバーは強くなりますが、今の状態や勢いならいいレースをしてくれるのではないかとは思っています。ムーア騎手が初騎乗になりますが、ムーア騎手に僕が何か言うのは到底おこがましい話で(笑)、当然レースは見ていただいていると思うので、特に僕から言うことは無いかなと思っています。東京競馬場は直線が長いですし、今まで通りの戦法でいいと思います。

日本の馬もダービー馬をはじめそうそうたるメンバーですし、外国馬もそうそうたるメンバーだと思いますし、胸を借りるつもりで、ではないですが、本当にいい状態で挑めるので、すごく楽しみにはしています。ジョッキー時代にGIはとらせていただいたのですが、(調教師として)なかなかGIとなると遠い存在ではありました。今回は一番チャンスなのではないかと思っていますので、楽しみです。ジョッキーの時とは全く別物で、レースに送り出すまでが僕の仕事だと思っています。

きょういい追い切りが出来たので、あとはレースまで、特に変わったことはしないで、今まで通り普通に調教していければいいかなと思っています。ジャパンカップという大きい舞台で、これだけのチャンスをいただいたので、しっかり結果を残したいと思っていますし、本当に馬の状態がいいので、世界の強豪を相手にいいレースをしてくれると、僕も本当にワクワクしています。楽しみです」

(取材:三浦 拓実)

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