11月13日（日）に阪神競馬場で行われる第47回エリザベス女王杯（GI）に出走を予定しているイズジョーノキセキ（牝4、栗東・石坂公一厩舎）について、石坂公一調教師の追い切り後の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「（前走の府中牝馬Sは）しびれるような競馬を見せてもらったなと思います。岩田（康誠）さんの天才的な騎乗と、担当スタッフの米盛（助手）のおかげです。大目標のエリザベス女王杯に向け、府中牝馬Sをひと叩きして、なおかつ賞金を加算できればと思っていました。道中も良い位置につけてくれて、直線も、これならしっかり伸びてくれるなと期待を持って見ていました。（結果は）期待以上ですね。

前走も目一杯競馬をしてくれましたので、疲れを取ることを重点に置いて、疲れを取ったあとはいつも通りしっかり攻めて、大舞台に向けて良い状態で仕上がったと思います。

（ルメール騎手が初めて騎乗した1週前追い切りは）馬の感触というか、背中の良い馬で、フットワークのきれいな馬なので、一度乗ってもらった方が本番に向けて良いイメージを持ってくれるかと思いました。ルメール騎手からは『フットワークがきれいで、折り合いもつく、良い状態で良い馬だ』と言ってもらえました。しっかりスタッフが作ったペースに無理なく追走して、終いは馬なりに近い状態でサッと伸ばす、理想的な追い切りだったと思います。（今日の追い切りは）きつすぎず、緩すぎず、疲労だけは残したくなかったので、サッとした内容でした。自分たちが意図した通りの調教だったと思います。上がりの息遣いを見てもサッと息が入っていましたし、これで完全に仕上がったなという印象です。

（去年のこのレースは）前走の府中牝馬S以上に人気のない中でしたが、良い勝負ができると期待を持っての出走でした。道中の落鉄や不利を加味すると、とても良い内容ではなかったかと思います。去年、あれだけ良い競馬をしてくれたので、今年もあの舞台に立ちたい、そして勝ちたいと思ってやってきました。やはり、馬のおかげです。成長が追いついてくれて、スタッフが一生懸命頑張ってくれて、ついに、この舞台に、ある程度の人気を背負って立つことができるのだと思います。

（馬だけでなく、人も成長しているのでは、という質問に）おっしゃる通りです。（スタッフには）自分で考えて、自分で動けと、良い馬をつくるためにはどうしたら良いかを毎日考えて、指示する内容よりも自分で考えて、それをちゃんとやってくれ、と開業当初から言ってきました。すごくスタッフは成長していますし、自分が焦りを感じるくらいです。開業してから、自分たちで一から作った馬で勝負したいと思っていました。それが初年度から出来ていて、なおかつ初年度に最初にお預かりしたイズジョーノキセキが大舞台に立ってくれる、馬とスタッフのおかげだと思います。

もともと、阪神が一番得意な馬だと思っていました。前走の舞台は半信半疑だったのですが、この舞台で全能力を発揮するために、と選んだ経緯もありましたので、（今回は）良い勝負できる舞台ではないかと思います。すべてスタッフを信頼しています。大丈夫だと思います。

馬とスタッフが頑張ってきて、ついにこの大きな舞台に立つことができます。大きな舞台に立つ以上は、必ず勝ちに行きます。イズジョーノキセキと、スタッフたちの頑張りを、どうか応援していただければと思います」

（取材：山本直）