お知らせ:

競馬実況web

10月30日(日)に東京競馬場で行われる第166回天皇賞(秋)(GI)に出走予定のシャフリヤール(牡4、栗東・藤原英昭厩舎)について、藤原英昭調教師の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「(春の海外遠征は)ダービー馬として、日本のみならず海外に挑戦ということで、ドバイとイギリスへ行きました。ドバイは走り慣れているコース(に近い)のところで能力、パフォーマンスを発揮してくれましたが、イギリスのアスコットになると、競技は一緒ですが、種目が違うくらいの起伏などの部分で、能力では引けを取らないと思うのですが、やはり慣れという部分がありました。牧場関係者、オーナー、我々スタッフも挑戦することに意味がある、ということで、早めに7月、夏に挑戦して適性を見極めよう、ということがありました。海外の2戦は有意義であったと思います。(収穫は)違う環境で馬の精神が乱れず、その中で競馬をして、帰ってきて成長した、というところが良かったと思います。

(日本に)帰ってきてからどうなるかは挑戦、経験ですが、チャンピオンホースとして心技体が揃っていたのは実感しました。放牧へ帰して、どれだけ疲労が溜まるかと思っていましたが、回復も早く、予想以上にしっかりした馬だと思いました。馬の状態次第では、天皇賞をパスしてジャパンカップへ、という考えもありましたが、オーナーサイド、牧場サイド、我々スタッフが馬を見て、これならいける、ということで、ここへ挑戦します。やはり(秋は)ジャパンカップがメインターゲットになると思います。そこへ向けて、これからどうやっていくか、というところですね。

すごく経験したのでしょうね。馬の成長もありますが、去年に比べてしっかりして、実が入って、それが調教でも、おそらく競馬でも発揮できる、完成に近いところへ成長しているというところですね。

遠い海外へ行っていますから、動きがどうなっているか、一番知っているのは福永騎手ですから、(追い切りを)手伝ってもらい、率直な意見を聞きたかったです。予想通りというか、シャフリヤールの見た目通り、しっかりして、動きが去年とは違う、ということでした。そのジャッジが重要だったので、それが悪いジャッジになるのか、良いジャッジになるのか、福永騎手を乗せて試しかったです。こちらの思い通り成長できていると確信しました。

間隔が開いていますから、(23日の坂路では岩田望来騎手を乗せて)気を入れると言いますか、Cウッドだと気持ち良く走らせているところがありますから、坂路では最後に頑張って、負荷をかけるという意味で、岩田望来騎手も以前に乗っていますからね。比較を聞きたかったというのもありました。(岩田望来騎手も)福永騎手と同じような意見を持っていました。最初に聞くのは、何が違うか、ということですが、『精神も肉体もしっかりして、動きにリンクしていく』というすごく良い感触を答えてくれました。

いつも東京で競馬をする時の最終追い切りは、(今日のような)そういう調整で来ていますからね。スピード感と、終いはしっかり、気を入れるという意味で、東京遠征の時は毎回こうしていて、それを崩しませんでした。間隔が開いていますから、(併せ馬で)レース感覚という意味で気を入れる、ということですね。以前は最後までしっかりやらなかったのですが、間隔が開いていて久々の日本ですからね。終いの時計うんぬんは関係ないと思います。時計も出ていますから、予想通りの状態、キレは見せてくれたと思います。

(以前との)比較というか、絶対能力は確認できていましたから、それをいかに競馬で発揮する体が欲しかった、というのが去年の希望、課題でした。この期間で成長して、それをクリアしているかなと思います。

(今回の)条件はすごく良いと思います。いろんな経験をして、2000mでも2400mでも対応できるだけのポテンシャルを持っていると思います。(距離は)気にしていないですね。

(敗れたプリンスオブウェールズSは)種目が違う、という感じですね。そういう意味では競技は一緒、種目が違うのは慣れさせれば引けは取らないと思っています。そういうところで悲観はしていません。

(今回は)すごく楽しみです。(馬自身が)どういう成長をしているのか、陣営の方が不安が大きいですね。この馬の能力の限界値がどこなのか、すごく不安です。良い不安ですけどね。能力の限界をある程度把握できて、逆算しながらトレーニングしたり、競馬へ向かっていきますが、この馬だけは限界値がどこなのか悩みます。良い悩みなのですが、限界を知っていればいろいろな調整方法があるのですが、限界がわからないのでどこが限界なのか、作っていく方としても、それによってどういう走りをするのか楽しみ、というところはあります。

(ダービー、秋の天皇賞を制した)エイシンフラッシュも含め、GIを勝つ馬は能力の限界値をわかりながら調整をしていきますが、マックスをどれくらいの調整で持っていけるかという計算でGIレースへ使いますから、その方がやりやすいですけどね。シャフリヤールはその限界がわからないので、すごい馬であることは確かだと思います。(とんでもないレースに?という質問に)これはわかりませんが、そうかもしれません。そういう意味では楽しみであります。ただ、それを実行、実施するには馬が健康体でないといけないということは、常日頃スタッフに言い聞かせています。健康でないと、能力があってもパフォーマンスが出ないので、それは気をつけないといけないと思います。

チャンピオンホースとして、みなさんに見せられる競馬ができると思います。こちらも本当にそういう良い意味での不安がありますし、どういう競馬をするか楽しみなので、ファンのみなさんも楽しみにしていただきたいと思います」

(取材:山本直)

お知らせ

お知らせ一覧