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3日(祝・木)に良馬場の盛岡競馬場で行われた第12回JBCレディスクラシック(JpnI・ダート1800m、ゴールデンヒーラー取消で出走11頭)は、道中2・3番手を進んだ3番人気のヴァレーデラルナ(JRA)が直線追い比べを抜け出して押し切り、一気の4連勝で牝馬ダート路線の頂点に立った。勝ちタイムは1分50秒1。3歳馬の優勝は2015年のホワイトフーガ以来で7年ぶりだった。

中団から差した2番人気のグランブリッジ(JRA)がクビ差2着で3歳馬が1・2着を独占、圧倒的1番人気だったショウナンナデシコ(JRA)は最内から追ったが2着と1馬身1/4差がついた3着だった。4着に8番人気レーヌブランシュ、5着に4番人気プリティーチャンスが入ってJRA勢が上位を占め、地方馬はサルサレイア(大井)の8着が最高だった。

勝ったヴァレーデラルナは父ドゥラメンテ、母セレスタ(その父Jump Start)という血統の3歳牝馬。前走3勝クラスのトルマリンステークスを勝って重賞初挑戦となっていたこの大一番で4連勝を飾り通算成績は10戦5勝(うち地方1戦1勝)。騎乗していた岩田望来騎手はJpnI競走初制覇、管理するJRA栗東・藤原英昭調教師は2011年・2012年にこのレースをミラクルレジェンドで連覇しており、10年ぶり3度目の制覇となった。

<レース後関係者のコメント>
1着 ヴァレーデラルナ 岩田望来騎手
「(JpnI初制覇の気持ちは)終始ヒヤヒヤするレースではありましたが、勝ててホッとしています。ゲートだけは気をつけて、どこで競馬をするかは出てから考えようと思っていましたが、凄く良い雰囲気でゲートを出てくれたので、馬なりで2番手を取れました。テリオスベルがまくって来ると思ったので、早めに準備はしていたのですが、思った以上にグッと来たので、無理に競らないようにしました。(3・4コーナーで)結構流れが急に速くなったので結構きつくなりましたが、3歳牝馬で53キロということもありましたし、馬の力を信じて最後まで必死で追っていました。(自分自身)夏開催で怪我をして1か月半くらい休んでしまったのですが、その間も馬のことをしっかり考えていましたし、復帰してからも順調に勝たせて頂いて、本当に恵まれているんだなと思うので、努力を怠らず来年、再来年と日本を盛り上げられるジョッキーになりたいと思います」

(藤原英昭調教師)
「馬も遠い所まで来て、栗東からここまで13時間かかりましたが、そういう所もクリアしてくれました。天候も雨が降ってちょっと(馬場が)渋ったのは良かったと思いますが、やはりタフなコースで、タフなメンバーを相手に勝ち切ったいうのは素晴らしいですし、馬を褒めてあげたいですね。(今日はマイナス2キロで)それだけ輸送して減っていなかったということは体も実になっていますし、精神的にも強い馬だと思います。やはりJpnIを勝つためには運だけではなくて、条件が揃わなくてはいけないということで。その条件が、この馬にとっては大外というのは本当にスタートが切れて、行き脚がつくということで、そこは大きなポイントだったのではと思います。岩田望来騎手とは相談してスタートだけは決めよう、あとはペースは任せるからということでした。どうしてもこういうタフなコースですから、終いだけというのは多分来ない、前でどれだけ我慢できるかと予想して指示を出しました。

直線は福永騎手の馬が迫っていたので『今回は勝たせてくれよ』というところで望来頑張れ、世代交代を、という気持ちで応援していました。最初は芝も考えていたような馬ですし、ドゥラメンテ産駒ですがダートも兼用できて、ダートの走りも良かったですからね。何とかここに出るために賞金が欲しかったので、ちょっと馬にはきついローテーションで挑戦させても勝ち切ってくれました。(この馬の良さは)気持ちが前向きなので、今日もペースに乗りながらずっと前進気勢を保っていましたからね。気性的に凄く良いのではないでしょうか。今日賞金を加算したことで本当に選択肢も広がりましたし、今後は馬と相談しながら、オーナーと相談しながらですが、本当に今日の1着は大きい勝利だったと思います」

2着 グランブリッジ 福永祐一騎手
「すごく活気があって、良い状態だったので期待を持ってレースに臨みました。一歩目で躓く形になったのでヒヤっとしましたが、そこから上手くリカバリーしてくれて、最初は3番手で、流れが速くなかったので、良いリズムで行っていました。途中からテリオスベルが来るのは分かっていたので、行かせて、少し前にプレッシャーをかけてから自分のタイミングで行きました。4コーナーを回る時、手応えが悪くて、伸びないのかなと思いましたが、ラスト200mで盛り返してくれました。非常に惜しいところまで来てくれて、あそこまで来たら勝ちたかったですが、よく頑張ったと思います」

3着ショウナンナデシコ 吉田隼人騎手
「一回叩いて状態が上向いているのは厩舎サイドから聞いていたので、自信を持ってレースに向かいました。連勝していた頃に比べると、返し馬で大人しすぎると感じました。以前はガツンと引っかかるぐらいでしたが、年齢的なものなのか、良い時に比べると戻り切っていない印象です。行く必要がなかったので(他に)行かせました。砂を被るのも平気です。サルサディオーネやテリオスベルがいるので、あまり揉まれたくないというのはありましたし、最初から良いポジションで運べました。3コーナーまでずっと遅くて、勝ち馬に上手くペースを握られてしまいました」

4着 レーヌブランシュ 松山弘平騎手
「比較的落ち着いていました。スタートをしっかり出てくれて、2列目の良いポジションで、流れに乗ることができました。勝負どころでの手応えも良かったです。外に出して良い脚を使ってくれましたが、(勝ち馬に)凌がれてしまいました。もう少しで3着でしたし、何とか頑張ってほしいと思っていました。ここ最近では一番良いレースでした。前走は負けましたが、地方のナイターなら非常に良い競馬をしてくれます。次に期待したいです」

5着 プリティーチャンス クリスチャン・デムーロ騎手
「道中は良いポジションで競馬ができました。コーナーに入ってから左にささるところがあって、それが最後の伸びに影響したと思います。左回りでは内にささりやすいのでその分かと思います。今日は左回りだったので、右回りだと全然違う結果になったと思います。体調に関しては問題なかったですし、すごく良い馬です。最後は来ていたので惜しかったです」

(取材:米田元気)

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