お知らせ:

競馬実況web

川崎競馬場では牝馬の重賞(統一ダートグレード競走=Jpn2)第55回エンプレス杯(キヨフジ記念、1着賞金4000万円、ダート2100、14頭)が行われ、レース序盤は中団に待機した3番人気のニシノナースコール(JRA美浦・尾形充弘厩舎、吉田豊騎乗)が最後の直線で先行各馬を一気に捉えて初の重賞制覇を果たした。

 レースは船橋のシスターエレキング(6番人気)が逃げてJRAのサヨウナラ、大井のダイワオンディーヌがそれを追う形。2番人気のユキチャンはそれらの直後に付け、1番人気のヤマトマリオン、そしてニシノナースコールは中団でこれらを見ながらの追走。
 2周目3コーナー手前からユキチャンが前を捉えにかかると、ヤマトマリオンもこれに合わせて上がって行って4コーナーではユキチャンらを交わして2番手に上がったが仕掛けを遅らせたニシノナースコールが4コーナー5番手から一気に各馬を捉え切った。
 2着には逃げたシスターエレキングがヤマトマリオンの追い上げを振り切って粘り込み、やや伸びを欠いたヤマトマリオンが3着、ユキチャンは勝ち馬から1秒7差の6着だった。

 勝ったニシノナースコールは父ブライアンズタイム、母ノーブルドノール(その父ノーザンテースト)という血統の7歳馬。通算成績は33戦7勝。このレースでの引退が伝えられていたが重賞挑戦12回目にして念願のタイトル獲得となった。川崎では昨年のエンプレス杯2着、スパーキングレディーカップ3着と堅実な成績を残している。

レース後の関係者のコメントは以下の通り。

1着 ニシノナースコール 吉田豊騎手
「このレースで引退と聞いていたので、悔いの残らないように乗ろうと思っていました。人気の馬がもっと前にいると思ったら、スタート直後に自分の馬の近くにいたので、前に出ようかどうしようか考えました。そこで折り合いがついたので、人気馬のすぐ後ろにつけました。道中はいつもよりいい手応えで、勝負どころでヤマトマリオンがマクって行ったのでその後ろから動きました。そこからはいい伸びでしたね。左回りがいい馬だし、前めの位置で折り合えたのが良かったですね。デビュー当時は芝で走っていましたが、後半はダートで、現役の最後まで一生懸命がんばってくれました」

尾形充弘調教師
「ここまで重賞に手が届きませんでしたが、最後にいいレースをしてくれて嬉しいですね。とにかく無事に牧場に帰って欲しいと願っていて、レースに対しては無欲で臨んでいました。スタートしてすぐにユキチャンのそばにいたので、いつもより前の位置取りだなあと。左回りは上手な馬ですから、そこそこは来てくれるだろうと思いましたね。ゴールの瞬間は、とにかく嬉しかったです。これまで寒い時期は身体が硬くなってレースに使えませんでしたが、奥手だったんでしょうね、ここにきてどんどん良くなってきていました。最高の形で繁殖に送り出せますね。この馬を応援してくださった皆様、ありがとうございました」

2着 シスターエレキング 桑島孝春騎手
「ユキチャンがゲートでうるさかったし、楽にハナに立てました。いい感じで逃げられましたが、勝った馬に一瞬で来られてしまいましたね」

3着 ヤマトマリオン 幸英明騎手
「4コーナーでも持ったままの手応えで、いい感じだったんですけどね。あとは前を捕まえられれば勝てる、と思ったのですが、そこから伸び切れませんでした。馬場が合わなかったのでしょうか」

5着 サヨウナラ 岩田康誠騎手
「いいポジションが取れましたし、早め早めの競馬ができました。ただ、去年ほどの踏ん張りがありませんでしたね」

6着 ユキチャン 武豊騎手
「スタートで躓いて、よろけて出てしまいました。道中でリカバーできましたが、折り合いを欠いたしスムーズなレースではなかったですね。理想は逃げる形だと思っていたのですが、そうはいきませんでした。返し馬では不良馬場を気にするところもありましたが、レースではそうでもなかったですよ。また巻き返したいですね」

(取材:小塚歩)


お知らせ

お知らせ一覧