今朝美浦・栗東の両トレーニングセンターで馬インフルエンザに罹患した馬が発見されたため、今週末の競馬開催の有無が検討されていたが、予定通り開催が実施される見通しとなった。
JRAによると、現状で発症した馬の数は散見される程度に留まっており、馬の移動を管理施設間だけに限定し、出走馬の健康状態の把握に万全を期しながら、今週の開催に向けて出馬投票などの準備を行うという。
なお、簡易検査で陽性反応(※)が見られた馬からウイルス分離を行うとともに、今日から発熱などの症状を起こした馬の隔離・検査、両トレセンにおける馬の移動の制限、施設や厩舎等の消毒などの防疫措置をとることにしている。
※8月16日13時現在
・美浦トレーニングセンター(在厩 1518頭)
9頭について簡易キットにより検査した結果、陽性3頭、陰性6頭
・栗東トレーニングセンター(在厩 1370頭)
27頭について簡易キットにより検査した結果、陽性17頭、陰性10頭
(JRA報道室発表による)
今回の馬インフルエンザ発症確認に関する説明会がJRA六本木事務所でメディア関係者70人前後を集めて行われ、席上、齋藤茂広報担当理事、仁岸正之馬事部長、小林善一郎審判部長が質疑応答に応じた。
それによると先週土曜から美浦トレーニングセンターで発熱する馬が多い状況が確認されたのが今回のインフルエンザウイルス感染確認への発端となったとのこと。
その後の経過と具体的な数字は上記のJRAは発表資料に詳しいが、1971年には長期にわたって競馬が中止される事態となった馬インフルエンザの感染が今回は競馬の開催に比較的軽微な影響しか与えないような経過を辿っているのは日本の競走馬の防疫体制の強化によるところが大きいようだ。
1971年の経験からワクチン開発が加速され、近年では日本の競走馬、乗馬などの軽種馬に対しては生後2回とその後は半年置きのワクチン接種が行われている。
その結果71年以降現在までインフルエンザウイルスの感染は国内では確認されていない。また今回ウイルス感染が確認された馬の症状も重篤なものはなくワクチン接種が一応の効果を挙げているものと思われる。
ヨーロッパでは近年でも感染が散発的に確認されているが比較的大きな規模での感染が確認された2003年英国ニューマーケットでも出走馬の制限をすることで開催を乗り切ったという。
ただ、今回の「JRAの管理施設だけの移動に限定」しての開催という措置のために今週予定されていた地方所属馬のJRAの競走への出走が不可能になったばかりでなく、交流競走出走のために地方競馬場に入厩した馬がJRAの施設に戻ることも不可能になった。
また、一旦育成場などへ短期放牧に出て近日中に帰厩し来週以降の競馬に出走する予定だった馬たちのトレセンへの帰厩のめども現状では立たなくなっている。
今回の措置の解除には前回流行時と同様に新たな感染が確認されなくなることが条件となるようだが、競馬開催への影響は大なり小なり当面続きそうだ。
(取材:佐藤 泉)
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