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午後3時7分、東京競馬場の事務所2階大会議室に池江泰郎調教師が入場。いつもどおりの穏やかな表情だったが、言葉の端々に残念さもにじませた。会見でのコメントは以下の通り。

「ディープインパクトは着地検疫のために東京競馬場に入りまして、きょう、朝の調教後にオーナーと連絡をとっていたところ、『ディープインパクトを今年限りで引退させ、来年からは種牡馬になることが決まった』という報告を受けました。私も驚き、ショックを受けました。

いずれはディープも種牡馬となるというのは覚悟していましたが、突然の報告でなんだか寂しいという気持ちが先にきました。凱旋門賞が終わって、まだ気持ちがさめないうちにそのような報告を受けまして、寂しいという思いをしています」

(以下、報道陣との一問一答)
――51億円のシンジケートに関して
「細かいことはまだ聞いていません。ただ51億円でシンジケートが組まれたという報告を聞いただけです」

――今後のローテーションに関しては
「天皇賞への出走の可能性を残すために、着地検疫を東京競馬場の国際厩舎で受けようとオーナー共々、東京競馬場への入厩を決めました。出走するレースは天皇賞・ジャパンカップ・有馬記念に絞られるかと思いますが、欲張ってばかりもいられませんから。現時点ではそう希望していますが、東京に入った以上、天皇賞への出走を視野に入れて、その後に関してははっきりとは言えません。

オーナーとも、秋の天皇賞を使う方向で話をしています。きのう、きょうで厩舎に入ったばかりですからすぐにどうとは言えませんが、レースに使えるような馬体にはなっています。馬優先に考えていきます」

――帰国後の状態は
「元気で、どこも悪いところがなく、今朝も馬を見ていて安心しました。今のディープならばレースで元気な姿を見せてあげられると思います」

――これまでオーナーと、種牡馬入りなどの話し合いは
「なかったですね。オーナーが決断されたようです。私は競馬場でディープを競走に出すことに全力を尽くしてきましたので、それ以上のことは聞いておりません」

――凱旋門賞へのリベンジ、という考えは
「私自身は再挑戦したいという気持ちはありました。しかし、ディープに限らず、次にそのような可能性のある馬がでてくればもう一度挑戦したいという気持ちでいましたから。ディープは早かれ遅かれ種牡馬になるだろうから、ディープで、というよりも自分自身の中で、という意味です。もちろんディープでも再挑戦したい気持ちもありました」

――このままレースに出走せずに引退する可能性は
「ないと思います。オーナーとも、残されたレースは全力投球していこうと話をしていましたので」

――改めて、ディープインパクトとはどんな存在だったか
「こんな馬には二度とめぐり合うことはないでしょうね。最初で最後でしょう。もしもまたディープのような馬が私の手元に来るようなことがあったら、神を信じますね(笑)」

――厩舎のスタッフには
「オーナーからの連絡の後、厩務員や助手、武豊騎手にも伝えました。みんな寂しそうにしていましたが、健康であるうちに決断されたのはディープにとっても幸せだなという想いでいたようです」

――ファンに向けてのメッセージを
「これまでいろんな馬でたくさんの応援を頂きましたが、ディープには今までとはまた違った形での応援を頂きました。子供からお年寄りまで、競馬を知らない人から『競馬に興味を持った』とか『ディープの頑張る姿に励まされた』など…。ある種のスポーツ感覚で応援してくれていたように思います。

今後は限られたレースになるかと思いますが、また応援していただければ、ディープは頑張ってくれると思います。私も全力投球して、感動するようなレースをしたいと思います」

(取材:小塚歩)


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