競馬ファンに初夏の訪れを告げるダービー。それは梅雨の序曲でもあるのだが、美浦トレーニングセンターは緑が鮮やかに輝き、朝、窓を開けるとホトトギスの鳴き声が飛び込んでくる。
朝4時過ぎに目覚めたが既に外は明るい。5時過ぎ、調教スタンドに着くと温度計は15度を表示していた。その数字が3時間後には20を過ぎていた。紫外線がきつそうな陽射しが眩しい。やはり初夏の景色だ。
5時半の馬場開場を待ちわびて藤沢厩舎の馬たちがコース入り口に隊列を作っていた。傍らに立つ指揮官藤沢調教師は横を通る記者たちに「みんなをそんな暗い顔にさせちゃって、先週(のオークス)はごめんな」とジョークを飛ばしていた。
その藤沢厩舎がダービーに送り出すピサノクウカイは馬場が開けられてすぐの5時35分にシェルゲーム、エルノヴァを追い掛ける形で芝コースで調教を行った。
●ピサノクウカイ
(オリヴァー騎手)
プリンシパルステークスでは、レースの最中に間違ったことやしてはいけないことをするようなところが残っていたんですが、終いの脚はとても力強かったですしね、ダービーに向けてはいいレースができたと思います。
今日の調教は、ズブい馬で落ち着いている馬でずるい馬でもあるので馬の後ろに入るとノンビリしてしまったりするんですけど、この馬は調教よりもレースに行っていい馬だと思います。
今日はとても真面目に走ってくれまして、最後までまっすく走ってくれましたし、伸びも良かったですしね。ただ競馬に行ってそのように走ってくれるかどうかはまだ、信用の置けないところがありますね。今日の調教のような走りをしてくれればいい結果が出ると思いますけど。
2400メートルを初めて走る馬とかそんな距離が不得意そうな馬もいると思うしこの馬の場合はそういった面は心配ないですし、上手に競馬ができればいいチャンスがあると思います。
どういう位置取りになるか枠順にもよりますが、何とかリラックスさせて終いの脚を生かすような競馬ができればと思っています。
(藤沢調教師)
プリンシパルステークスは久々の勝ち星でしたが、1戦目は上手に勝たしてもらったんですが、内にささったりね、男馬で元気がいい馬なんでね、なかなか思うとおりに行かなかったですよね。3歳のこの時期の男馬ではよくいるんですけど、なかなか騎手の言うことを聞いてくれないですね。能力はあるんだけどね、騎手の思うとおりには走ってくれなかったですね。
プリンシパルステークスは比較的短い距離だったので、ブリンカーを付けていったんですけど、ちょっとひっかかっていたんですけど、競馬は勝たしてもらって良かったです。もともと道中はハミがかりがいい馬なんで、今回は2400メートルでちょっと行き過ぎてっていうか気負っても困るんで、ブリンカーは付けなくても道中は大丈夫だろうってことで、外していこうと思ってます。
今日の調教は良かったと思いますよ。真面目に今日は走ってくれたと思います。これまで(レースを)何回も使ってるんでね、そんなに速い時計を出さなくていいという指示だったんですけど、まあ、時計も予定通りだったし、動きも楽な感じで並んで来れたんでね、まあ、稽古では良かったと思います。ここへ来るまで何回も競馬を使わせてもらったからね、やっと辛うじて(ダービーに)出れたってことで調整は楽だし、この前のレースと同じような感じで仕上がってると思います。
前回まで500万条件を勝てないでいたんですけど、前回はオープン特別を使わせてもらって勝てたように、やはりオープンで通用する力はあるっていうことだと思うんですけどね、今回は皐月賞、青葉賞とね、強い馬たちが沢山出てますからね、そのへんの組と走るのは初めてなんでね。少し心配してるし、どれくらい力が違うのか確認したいレースでもあります。
長いところ(距離)は上手に競馬できる馬なんで好位置で競馬ができると思います。まあ、まっすぐ走って他の馬たちに迷惑かけないでね、走ってくれるといい結果が出ると思います。
(取材:佐藤 泉)
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