世間の多くはハルウララが出走する10Rの「YSダービージョッキー特別」に注目しているが、本当のメインレースはダートグレードGIIIの黒船賞(1400m)。
今年は、交流戦でおなじみのノボノボに、ディバインシルバー、それに、昨年のNHKマイルC覇者のウインクリューガーとJRAから豪華な4頭。地方からも重賞7勝を挙げている兵庫のエース・ホクザンフィールド。高知に転入後12連勝で一気にオープン入りした10歳馬ベストライナー。19戦13勝と岩手で覇権を争うタイキシェンロンなどの強豪が参戦して、見所あふれるレースとなった。
武豊騎手とノボトゥルーのコンビ

岩手で台頭著しいタイキシェンロン

兵庫期待のホクザンフィールド

もちろん黒船賞もみんな買います
結果は好ダッシュからハナを切ったディバインシルバーが得意の不良馬場を利して逃げ切り勝ち。1馬身差の2着に追いこんだノボトゥルー、3馬身遅れてホクザンフィールドが3着。これでJRA勢が黒船賞6連覇を達成した。
勝ったディバインシルバーは父SilverDeputy母BeMyBaby(母父Ogygian)の血統、牡6歳栗毛馬。美浦・和田正道厩舎の管理馬、昨夏のクラスターカップ(GIII)に続いて重賞2勝目。
〜レース後のコメント〜
1着 ディバインシルバー(安藤勝己騎手)
「不良馬場、小回り1400mは合っているし、今日は恵まれました。リラックスして走っていたし、この馬にしてはペースも速くありませんでした。この後のレース(ハルウララ出走)がメインみたいなので、気楽に乗れました(笑)」
2着 ノボトゥルー(武豊騎手)
「終いも伸びてはいるけど、不良馬場、59kgだったから…良馬場でやらせたかった。それでも4コーナーでは届くかなという手応えもあった。着実に走る、立派な馬だね」
3着 ホクザンフィールド(岩田康誠騎手)
「馬は絶好調だった。一番いい脚を使ったと思うけど、大外をまわってかなりのロスをしてしまった。いい感じだっただけに残念」
4着 ノボジャック(小牧太騎手)
「スンナリ逃げられれば、勝ち目はあると思っていたが、勝ち馬に先に行かれてしまった。この馬のレースはできたと思う」

レース後のディバインシルバー

インタビューに答える安藤勝巳騎手
そして迎えた10レース、いよいよ、天才・武豊騎手とハルウララのコンビが場内に登場し、YSダービージョッキー特別(1300m)を迎えた。
パドックから一挙手一投足に拍手と歓声が上がり、テンションは最高潮に。何故か微笑む大勢のファンで、勝負を控えた雰囲気はゼロ。雨も上がり晴れ間ものぞいてきたせいか、まさに「春うらら」一色に染まってしまった。

ピンクの勝負服の武豊騎手
さてレース。記念馬券の売上げが手伝い圧倒的単勝1番人気に支持された武豊騎手とハルウララのコンビだが、終始後方を進み結局、見せ場無くブービー10着に終わった。これで連敗記録は106。勝ったのは2番人気のフアストバウンス、2着は4番人気のシルクコンバットだった。最後の直線で後方を走るハルウララに送られた暖かな拍手が印象的だった。
凄いのはここから。武豊騎手はなんと馬場をもう一周まわり、ウイニングランならぬロスティングラン(?)をしたのだ。これにはファンも大喜び。そして多くの競馬関係者が武豊騎手のサービス精神に脱帽した。

ロスティングラン(?)をするハルウララ
レース後、共同記者会見が開かれ、武豊騎手は以下のように語った。
(武豊騎手談)
「疲れました(笑)まさかこれほど注目されるとは思いませんでした。
パドックの声援や拍手で、馬が驚いていて、なだめるのに気をつかいました。ハルウララに関しては、細くて小さくて、可愛い馬という印象です。フットワークは軽くて、乗り心地は悪く無いです。それで少しは期待したのですが…。
『スタートが良ければ逃げて欲しい』と言われていましたが、スタートが良くなくて、すぐに厳しいなと感じました。馬が外に逃げながら走っているので、それを矯正しながらの競馬。直線で声援は聞こえたのですが、どうにもできませんでした。
この馬を見に、大勢の人が集まってくれたので、レース後もう1周走りました。地方競馬の苦しい現状を考えると、小さな競馬場から人気のある馬が出ることは良い事だと思います。これをきっかけに、今まで競馬を知らなかった人にも、競馬場に足を運んでもらいたいと思います」

皆が欲しがった記念馬券

天邪鬼な私の記念馬券
こうして、高知競馬場史上、最も賑わいそして混乱した1日が終わった。驚くなかれ、1日の売上げは約8億6千万円に到達。ハルウララが出走した最終レースだけで約5億1千万円、交流重賞の黒船賞は約2億2千万円を記録した。高知競馬のこれまでの1日の最高売上げ記録が4億円余りとの事だから、経営が苦しい高知競馬にとって、驚異の売上げをもたらしたハルウララは、救世主であるに違いない。
優勝劣敗の競馬において、勝てない馬が人気を博していることに眉を顰める識者も多いが、この売上げには驚かざるを得ないだろう。
さて、問題はこれから。ハルウララ人気が最高潮に達した今、次の目玉を高知競馬は考えなくてはならない。みんなの視線が高知競馬に向いている内に。
しかし、これが実に難しい。いくら考えても私の頭では、次の目玉が浮かばない。連勝馬が登場しても交流戦に出れば厳しいし、勝ち負け交互の馬と言っても、そうそう上手くいくとは限らないし・・・。斜めに走る馬とか、スキップが出来る馬とか、空を飛ぶ馬とか・・・、う〜ん、アイディアが貧困だ。
どうか、競馬ファンの皆さん。次の目玉を自分で考えてみてください。

