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大相撲の人気低迷は深刻だ。話題になるのは朝青龍と旭鷲山の確執ばかり、相撲内容が記事になることはまずない。それもそのはず、5月に国技館で相撲を見たのだが、取り組み内容は実にお粗末だった。引き技の応酬、そして、それを残す腰もない。しかし、その原因を力士の稽古不足や技術の未熟さにだけ求めるのはナンセンスだ。

私は、「土俵の小ささ」こそ最大の原因と考えている。力士の大型化が進み、今の力士の体格には土俵が合わなくなってきているのだ。
現在の土俵の大きさは直径4m55cm(15尺)。昭和6年から大きさが変わっていない。
(昭和20年の秋場所に4m85cm(16尺)に一度だけ拡大したことがあるが、当時は力士会の反対で、翌場所にはすぐに元に戻された。)

元相撲協会診療所医師の林盈六さんの著書「力士診療よろず噺」(徳間書店)には、明治43年5月場所、大正12年5月場所、昭和15年1月場所、昭和41年 1月場所、平成2年春場所(3月)それぞれの幕内力士の平均身長と平均体重が掲載されている。それに、私が集計した平成15年名古屋場所(7月)のデータを足して、以下の表を作ってみた。

場所名      平均身長 平均体重 最長身  最重量
明治43年5月場所 168.8cm 104.4kg  184.8cm 161.2kg
大正12年5月場所 174.4cm  99.5kg  184.8cm 129.3kg
昭和15年1月場所 174.2cm 108.7kg  190.9cm 142.5kg
昭和41年1月場所 179.0cm 121.1kg  190.0cm 176.0kg
平成02年3月場所 184.5cm 147.6kg  194.0cm 239.0kg
平成15年7月場所 184.2cm 155.5kg  196.0cm 235.0kg

一見して分かるとおり、幕内力士の平均体重は増加の一途を辿っている。昭和初期に比べて、1.5倍も重たい。そんな今の力士が、昭和初期と同じ大きさの土俵で戦うのは、いかにも不自然だ。

土俵が広がれば、立合いの激しい当たりも残しやすくなり、押し相撲が苦しくなる分、四つ相撲の攻防が多く見られる様になるはず。取り組みの面白さが増せば、相撲人気も回復し、さらに人気力士もでてくるだろう。
相撲の近代化が始まって以降、四本柱の撤廃、場所日数の拡大、年6場所制の導入、制限時間の導入等、伝統を大切にしながらも改革を繰り返してきた大相撲。さらなる英断を期待したい。


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