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ラジオiNEWSに多大な貢献をしてくれたラストアイドルの元メンバー7人が参加している×純文学少女歌劇団の旗揚げ公演を7日、拝見した。元ラスアイファンの1人として、5月の活動終了以来、今日が最良の日になった。そのくらい素晴らしい公演だった。

ラスアイ時代に繰り返されたバトルで磨いた歌唱力、高速高難度ダンスで鍛えた身のこなし、大きなライブで身に付けたステージでの立ち居振る舞い、すべてが凝縮されていた。大げさな言い方をすれば、ラスアイ時代の4年半は、この歌劇団のためにあったのか、と思うほど、デビュー戦とは思えない圧巻の舞台だった。

30人以上が結集したラスアイ時代のライブと違い、1人ずつ歌うシーンが結構ある。みんな上手い。驚くほど上手い。大森莉緒さん、山本愛梨さんの歌唱力はラスアイ時代から承知していたが、一段と上手くなっている。髙橋美海さん、大場結女さんの張りのある声と表情豊かな歌いっぷりにはうならされたし、高橋みのりさんの存在感抜群の歌と演技にもしびれた。奥村優希さんの繊細な演技も良かったし、畑美紗起さんのしなやかなダンスを、また目の当たりにすることができたのは、何より嬉しかった。橘二葉さん、わだこなつさん、倉持聖菜さんも、精鋭揃いの元ラスアイ軍団に交じっても見劣りしない、高い演技力と歌唱力をみせてくれた。

筆者はミュージカルが好きで、社業でロンドンに駐在していた時代、月に1,2回は劇場に足を運んでいた。通常のミュージカルでは主役がおり、なんとなく役者の序列があるものだが、この日の×純文学少女歌劇団の舞台は、全員が主役だった。歌もセリフも偏りがなく、推しメンの応援目的だったファンの皆さんも、きっと満足されたのではないかと思う。写真は高橋みのりさんの私設応援団の皆さん。ラスアイが活動終了となっても、こうして元メンバーたちを応援し続ける場が、こんなにも早く実現したことに感謝したい。

記念すべき×純文学少女歌劇団の第1回公演、ミステリアスな女学園の図書室という舞台設定も興味深いし、芸名が世界の文豪や文学作品にちなんでいるのも実におもしろい。展開もテンポよく飽きさせず、何より早く続きが見たいと思わせる絶妙な終わり方。これではファンは次作にも足を運ばざるを得ない。約60分の公演はあっと言う間であり、同時に1時間とは思えないほどの重厚感、満足感もあった。

これだけでも十分価値があるのに、プラス30分ほどのライブがある。ライブの質の高さは、さすが元ラスアイメンバーたち、素晴らしかったのは言うまでもない。ライブパートだけでも、来年のTIFや@JAMあたりに参戦していても、まったく不思議ではないレベルだ。 ×純文学少女歌劇団、ミュージカルとアイドルのライブが一度に楽しめる、実にお得感のあるグループということになる。ありそうでなかった稀有なグループと言えよう。これからも注目したいし、10人のメンバーはいずれ、ラジオiNEWSに来ていただきたい。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)

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