亮的閑話 第95回 さんみゅ～からwqwqへ 受け継がれるバトン
ラジオiNEWSの好評初登場シリーズ、今回はwqwqの寺尾日女香さんと山口恋生さんが来てくれた。そしてその後見人として、元さんみゅ～の小林弥生さんが久々のご出演だ。wqwqはさんみゅ～の楽曲をカバーしており、その歌やダンスの指導を小林さんが担当している。いわば師弟関係と言っていい。この番組に10回以上出てくれた小林さんと、初登場の寺尾さん、山口さん、ベテランとフレッシュコンビという、ちょっと不思議な組み合わせになった。
1月19日にｗqwqの松藤瑛瑠さん、倉田つきみさんが出演された時、寺尾さん、山口さんが応援メッセージを送ってくれた。仲のいいグループだなと好印象だった。「いつか私たちも出るぞ！」というお2人のつぶやきに応える形で、この日のご出演と相成った。すると今度は松藤さん、倉田さんからのメッセージが大量に届き、4人の結束力の強さを垣間見た。
小林さんの寺尾さん、山口さんを見守る眼差しがやさしく、ほのぼのした、いい雰囲気でのオンエアになった。
この日、さんみゅ～のヒット曲であり、wqwqのカバー曲でもある「はじまりのメロディー」が番組で流れた。今はもうない、さんみゅ～の名曲を、元メンバーが指導する後輩グループが歌い継ぐ。ファンにとって、これほど嬉しいことはない。応援していたアイドルグループが解散する悲しさは、経験した者でないとわからない。もう二度と聴けないと思っていたあの曲が、事務所の後輩グループに受け継がれる。実に美しいバトンリレーだ。
小林さんのwqwqへの指導はとてもやさしいそうで、メンバーたちは小林さんのことを心から慕っている。アイドルという仕事を卒業してからも、こういう形でアイドルの世界にかかわることができるのは、本当に素晴らしい。小林さんはアクセサリー作家としても着実に地歩を固めている。筆者も何度か小林さんのお店に足を運んだことがある。とても繊細で、それでいて優美な、小林さんの人柄が表れたような作品が多い。近く横浜で出店するそうなので、お近くの方は一度、ご覧にいただくことをお勧めする。
ｗqwqはカバー曲だけでなく、オリジナル曲も聴きごたえのある曲が多い。これからも応援したいグループだ。寺尾さんはメンバー最年少だそうだが、存在感が強い。アイドル特有のオーラがあり、潜在的な伸びしろは大とみた。まもなく生誕祭ライブがあるそうで、当日はぜひ、応援に駆け付けたい。山口さんは、小林さんいわく「天性のあざとさ」が魅力だ。声も可愛く、声優の仕事なども向いているのではと思った。倉田さんに言わせれば、この日の２人はアイドル枠、前回の2人はお笑い枠、だそうだ。なんとも面白い、コクのあるグループだと思う。
昨年末は交通事故もあり、大変な目にあったwqwqだが、今年はいい意味で当たり年になってほしい。デビューしてまだ1年ちょっとの若いグループ、可能性は無限大だ。小林さんや木下さんのようなアイドルの道の先輩が、すぐそばにいる。これはwqwqにとって大きな財産だ。偉大な先輩である、さんみゅ～を超えて、この世界で金字塔を打ち立ててほしい。また是非、番組に来てほしい。小林さんも末長く、この番組とお付き合いいただきたい。
（日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)
