放送開始から5周年を迎えたラジオiNEWS、今月は感謝月間ということで、番組に縁の深いアイドルの皆さんにお越しいただいている。3回目の今日は、荻野可鈴さんが来てくれた。
5年前の10月、第１回の放送ゲストが荻野さんだった。以来、1周年、１００回記念、３周年、4周年など節目には、必ず出演してくれた。夢みるアドレセンス卒業後も、こうして番組とのご縁をつないでくれるのは、嬉しい限りだ。当初、ご本人が自虐的に「都合のいい女」と称していたが、それはあんまりだろうと、付いた呼び名が「都合のいいレジェンド」。これがすっかり定着した。 実に楽しいオンエアだった。荻野さんの明るさ、話術、こちらとの絶妙な間合い、受け答えのリズムの良さ、などなど、さすがレジェンドと思わせる場面が随所に見られた。週替わりコーナーでは、荻野さんが栗林さみさんと筆者にインタビューするという、斬新な企画を試みた。荻野さん独特の楽しげな雰囲気に満ち溢れ、いい時間を過ごせた。アイドルライブデビューが夢アドだった筆者にとって、荻野さんはいつまでも記憶に残るアイドルだ。グループを卒業しても、それはずっと変わらない。 この5年の間、番組に出てくれた、いくつものアイドルグループが解散し、以後、二度とお会いしていないメンバーもたくさんいる。5年という歳月の重さを、改めてかみしめる。応援していたアイドルグループの解散ほど辛いものはないし、推しメンに会えなくなることほど悲しいことはない。そんな中、周年のタイミングで我々に会いに来てくれる荻野さんは、ありがたい存在だし、嬉しいことこの上ない。 グループを卒業しても、グループが解散してしまっても、この番組を一緒に盛り上げてくれたアイドルの皆さんには、これからも折に触れ、お会いできたら嬉しい。それぞれの世界で活躍されるレジェンドアイドルが、たまに羽を休めに帰ってきてくれる場所。ラジオiNEWSはそんな番組でありたい。「おかえりレジェンドアイドル月間」のような企画を、年に1回くらいできたらいいなと思う。（日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)
