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ラジオiNEWS

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ラジオiNEWS、1月後半のゲストはラストアイドルで、この日は間島和奏さん、畑美紗起さん、橋本桃呼さんが来てくれた。間島さんは昨年12月に続き11回目、畑さんは昨年4月以来、4回目、橋本さんは初登場だ。
この日はラスアイの4周年ライブに密着取材したコンサートブック「明日も今日を超えていく!」の発売日で、週替わりコーサ―でもこの本を取り上げ、3人に胸の内を聞いた。筆者も栗林さみさんと一緒にライブにお邪魔したので、ページをめくれば、あの時の感動と興奮がよみがえる。最大の特色はファン参加型の写真集であること。ファンが愛情たっぷりに撮影した写真の数々が散りばめられた珠玉の1冊だ。
この1冊には、積み重ねてきた4年の歳月が培ったラスアイの魅力が凝縮されている。強さと優しさ、向上心と健気さ、自分はラスアイの中でどんな存在でありたいのか、ラスアイを通じて何を成し遂げたいのか、一人ひとりが紡ぎ出すインタビューが、実に読み応えがある。間島さんは語る。「ラスアイサバイブは地獄だったが、メンバーは一人ひとり強くなった。4周年ライブはより強くなった全員の姿を見せる場だ」。この人をみていて、いつもすごいなと思うのは、常にラスアイの全体像に目配りをしていること。ラスアイの発展や成長につながることが、自分の行動の原点だ。
4周年ライブ会場での裏話を1つ披露したい。ライブ終了後、隣の席の男性が筆者と栗林さんに話しかけてきた。「ラジオiNEWS、ラスアイが出る時はいつも聴いてます。お二人とも間島さんのこと好きでしょう。彼女は頭がいいですからね」。聞けば、ラスアイの主演映画「がっこうぐらし!」の監督、柴田一成さんだった。柴田監督が間島さんを高く評価していること、筆者も共感した。「好きで好きでしょうがない」のMVをみて、間島さんの演技力に驚愕していたからだ。以前、日本映画界の巨匠、中島貞夫監督にお会いした時、こんな話を聞いた。「本当にうまい役者は、セリフのないシーンでわかる」。中島監督いわく、俳優ならセリフを言わせれば誰でもうまい。本当にうまい役者は、黙っているのに仕草や表情、醸し出す空気で存在感を発揮する。セリフをしゃべっている役者よりも、隣の無言の役者に引き付けられ、いつの間にかカメラもそっちを追っかけている。
何を言いたいのか、もうお分かりだろう。好き好きのMVは映画仕立てだが、セリフはない。無言の演技だ。それでいて、取り巻く状況、揺れ動く感情、伝えたい思いが、見る者に手に取るようにわかる。間島さんの演技力はすごいと思った。プロの映画監督も認める間島さんの潜在能力、女優としての可能性も大とみた。
畑さんは謙虚な人だ。奥ゆかしい人だ。高い技能を持ちながら、それをひけらかすことなく、いつも控え目だ。「私は顔も可愛くないし、歌もうまくないし、ダンスも自信ない」と言われたら、「ちょっと待ってよ」と誰もが思う。どう見たって顔は可愛いし、声が可愛いいから歌は耳に心地いいし、ダンスは抜群にうまい。決して自分を卑下するわけではなく、あくまで謙虚なのが畑さんだ。そんな畑さんをみていると、ファンは応援せずにいられない。みーちゃはアイドルとしての魅力がいっぱいで、大好きだよ、今のままのみーちゃで最高なんだよと、エールを送りたくなる。
「愛を知る」のダンスで、ボリウッドダンスで、舞台「球詠」の演技で、我々は畑さんの洗練されたパフォーマンスに魅了され続けた。軽やかで優美な身のこなし、足先、手の指先まで意識が張り巡らされたダンスは畑さんの大きな武器であり、財産だ。あの声と話し方、醸し出す雰囲気、「癒し」という言葉が、これほどぴったりくる人はいない。そんな畑さん、いつかひと皮むける日がやって来る。謙虚さは失わないものの、自信を持ち始める日が近づいている。自分の持つ力を、堂々と自信を持って発揮する。そんな畑さんの姿を早くみてみたい。それは、そう遠くないような気がする。
初登場の橋本さんは好感度の塊のような人だった。明るく、はきはきとメリハリがあり、それでいて細やかな気配りができる人だ。番組に対する姿勢が素晴らしかった。事前にインフレや北京五輪について調べ、自分なりの意見をまとめたうえでオンエアに臨む。なかなかできることではない。筆者も番組スタッフも初対面だったが、橋本さん、初回にして強烈な好印象を残していった。 橋本さんと言えば、ラスアイサバイブでの歌のうまさが印象に残っている。アイドルとしての完成度は高いとお見受けしたのだが、そんな橋本さんをもってしても、選抜メンバーになかなか入れないほど、ラスアイのレベルは高い。2期生センターとしてのプライドが傷ついた日もあったかもしれないが、天は自ら助くる者を助く、ラスアイサバイブが橋本さんの転機になった。カラオケで何百回も練習したという持ち歌を引っ提げて、連勝を重ねた。これまで橋本さんの魅力に目が届かなかった人たちも、サバイブをきっかけに「こんな逸材が隠れていたのか」と、ラスアイの奥の深さを、改めて認識したことだろう。
「明日も今日を超えていく!」、そんな3人も含めて、ラスアイメンバーの魅力が爆発している。33人のメンバーたちの本音や決意が、彼女たち自身の言葉で語られる。「自分はラスアイの中で縁の下の力持ちのような存在になりたい」(下間花梨さん)、「ラスアイサバイブを通じて得た自信が、自分の立ち姿に現れるようになった」(鈴木遥夏さん)、「メンバーの中でおばあちゃんのような何でも話せる存在でいたい」(大場結女さん)、「ラスアイに入って努力をする楽しさを知った。勉強でも頑張って学年1位になった」(佐佐木一心さん)など読み始めたら止まらない。書店で入手しづらいのが玉に瑕だが、ぜひお手にとっていただきたい1冊だ。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)


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