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遠矢るい,馬渕恭子,栗林さみ,鈴木亮

ラジオiNEWS、9月はラジオNIKKEIの他番組とのコラボ月間で、最終回となる今日は、第1、3,5金曜日に「民族ハッピー組のハッピー向上委員会」という番組を持っている民族ハッピー組の遠矢るいさんと馬渕恭子さんが来てくれた。

結論から言うと、「こんなアイドル見たことない!」。実に斬新で大胆、興味深いアイドルグループだ。例えば、将来の目標はと聞かれ、たいがいのアイドルは「武道館か東京ドームでのライブ開催」などとなるが、彼女たちは違う。目標は「年間売り上げ2億円」だ。給与の実額や歩合の取り分、貯金の額まで堂々と開示してしまう。潔いというか、あっけらかんというか、みていて清々しい。

筆者が以前、日経マネーという雑誌の編集長をしていた時、「もっとお金の話をしよう」と、呼びかける企画をよく手掛けた。親子で、夫婦で、友人と、お金についてもっと自由に話せるようになったらいいなと思っていた。

日本人のメンタリティーとして、お金について話すのは、さもしい、はしたない、いじましい、などあまりいいイメージがなかった。筆者自身、講演の仕事や外部から原稿執筆の仕事を依頼されたとき、報酬について気になっても、せこいと思われるのは嫌だなと、結局、振り込まれて初めて金額を知ったなどというのが良くあった。

親の貯金がいくらあるのか、保険に入っているのか、不動産などの資産はどういう状況なのか。知らないまま、親が突然亡くなったり、アルツハイマ―を発症したりすると、もう手遅れだ。夫婦や家族の間でも、家計の現状についてフランクに話せれば、無駄遣いをやめようと思ったり、子供に「大学は私立は無理だから、頑張って国立に行ってくれ」などと話しても、説得力が増す。

海外ではお金について話すのは、まったく普通のことで、プロのスポーツ選手や政治家などが個人の資産運用について語ったりする。日本では、お金について語るのはタブー視されてきた。ましてやアイドルが自分の給料や、この仕事をしていくら稼いだか、など公開してしまうなど、ありえない世界だ。

アイドルはファンに夢を売る。そこにはお金が動いている。そんな実像にあえて光を当てる民族ハッピー組は、貴重な存在だし、個人的にも大いに関心を持った。アイドルという発信力の強い立場から、お金に関する情報をどんどん開示する。これに勝るマネー教育はない。

お金の話をするアイドルと聞けば、どんな人たちなんだろうと想像をたくましくしがちだが、遠矢さん、馬渕さんとも実にかわいらしく、アイドルらしいお嬢さんだった。ニュース読みも完璧で、初登場でそろってクリアーという偉業を達成した。実はこの日、読み上げるニュースが事情によって急遽、差し替えられた。練習時間はまったくなし。ぶっつけ本番でのニュース読みだったにもかかわらず、危なげなくクリアーした。咄嗟の対応力、頭の回転力、トラブルに動じない胆力と、いずれもかなり高めとお見受けした。
ぜひまた、この番組にきてほしいし、日経新聞の取材対象にも十分、なりうると確信した。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)


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