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中村果蓮,天城サリー,鈴木亮,栗林さみ

@JAM EXPOとのコラボ月間もいよいよ最終回、今日は26時のマスカレイド中村果蓮さんと22/7の天城サリーさんが来てくれた。米国生まれの天城さんが英語で自己紹介すると、中村さんが滋賀弁であいさつする、そんななごやかムードのオンエアになった。

この日のニュース解説テーマは東京五輪と景気、株式相場の関係だった。開催直前でも中止・延期すべきという声が少なからずあった今回の五輪、実際、足元ではコロナの感染者数が過去最高を更新している。それでも競技が始まり、日本選手が活躍すれば、テレビの前で応援する日本人は多いだろう。

5年間かけて準備し、鍛えた実力をいかんなく発揮、見事メダルを獲得する選手には心から賞賛の拍手を送りたい。一方で、運が味方してくれず、思うような成果を残せないまま終わってしまった選手もいる。競技を終えた直後の選手がインタビューに答えているが、私は負けた選手のコメントに心を動かされる。年のせいか、敗者の弁に涙腺が緩むことも多い。

新聞記者は、ニュースを文章で伝えるのが仕事だ。一方でテレビの報道は映像が命だ。30数年、新聞記者をやってきて、テレビには勝てないな、と思う瞬間が何度もあった。映像の持つ圧倒的な力は、何も語らなくても、すべてを雄弁に語っている。

例えば、今回の五輪で言えば、卓球の石川選手の敗戦直後のインタビューだ。マイクを向けられた石川選手、20秒近く、無言だった。その間、カメラは石川選手を黙って追う。その表情を見るだけで、すべてが伝わった。もう何も言わなくていいよ、よく頑張ったよ、まだ団体戦があるから応援しているよ、と画面に向かって心の中でつぶやいた人は多かったのではないか。

「信じられない」と吐き出したきり、絶句してしまった水泳の松元選手の表情もそうだった。いくら名文をつづろうとも、テレビには勝てないと思う一瞬だった。 五輪というハレ舞台を目指し、すべてを犠牲にして努力する選手たち。アイドルにとって、五輪に相当するようなハレ舞台は何だろう。武道館や東京ドームでのライブだろうか。いやいや、もっと大きな目標を持っていい。米国で人気の韓国男性アイドルグループのように、世界で勝負する日本のアイドルグループがどんどん出てきてほしい。

クールジャパン機構のトップが以前、こんなことを言っていた。「世界に誇れる日本のコンテンツは、アイドルとアニメだ」と。上海にあるメルセデス・ベンツアリーナは1万8000人収容の大箱だが、ここでライブをやった乃木坂46のチケットは、わずか30分で完売したという。中国も含めたアジアで、日本のアイドルの人気はすごい。日本のアイドルが世界で活躍できる可能性は、十分にあると思う。

@JAM EXPOはいわば、アイドルの登竜門だ。ここからまず、日本のトップを目指し、やがて世界に向けて羽ばたいていく。横浜アリーナから世界へ。ラジオiNEWSに縁のあるアイドルたちの前途に、幸多かれと願う。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)


鈴木亮

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