お知らせ:

ラジオiNEWS

番組へのお便りはこちら
吉田華恋,髙橋彩香,鈴木亮,栗林さみ

6月のマンスリーゲストAKB48、トリを飾ってくれたのがチーム8の髙橋彩香さんと吉田華恋さんだ。チーム8には47都道府県の代表がいる。髙橋さんは長野代表、吉田さんは福岡代表だ。

チーム8は6年半の歳月をかけて、全国でライブをしたそうだ。よく全国ライブツアーなどと聞くが、実際には札幌、福岡、名古屋、大阪など大都市だけを回るだけという例が多い。チーム8は違う。全国を隈なく回り、ご当地の出身メンバーがセンターを務めるというから、ライブは盛り上がるに違いない。

日本にとって、古くて新しい課題が地方創生、地域経済の活性化だ。若者の流出、高齢化・過疎化の進展、地場産業の衰退など、地域経済は課題が山積みだ。コロナの影響で地方移住が増えているとは言え、労働人口の大都市圏への流出は続いている。

歴代の内閣が地方創生を政策テーマに掲げ、ふるさと納税など一定の効果が出たものもあるが、根本的な解決には至っていない。民間企業の中に、地方創生に貢献している例がある。筆者の知る中でユニークなものが、吉本興業の「住みます芸人だ」。東京や大阪ではなかなか芽が出なかった芸人が、自ら手を挙げ、縁もゆかりもない地方都市に移住して、その地で芸人として生きていく。当時の大崎洋社長から「そこでお墓に入るぐらいの気持ちでやれ」と送り出された芸人たちは、大半が地元に溶け込み、成功している。地元のテレビ局でレギュラー番組を持ったり、地域のイベントに欠かさない存在になったり、地方の活性化に貢献している。

AKB48のチーム8の全国ライブも、それぞれの代表がいわば凱旋公演となるわけで、地元は大いに盛り上がるし、我が県の代表メンバーを応援しようと、地域は活性化するだろう。政治家の口先だけの政策よりも、チーム8は、はるかに地方創生に貢献している。

6月はAKBのメンバーが合計8人来てくれた。武藤姉妹を除けば、いずれも初登場。驚いたのは、初挑戦のニュース読みを一発でクリアーするメンバーが大半だったこと。武藤姉妹は当然として、田北さん、大竹さん、鈴木さん、そしてこの日の髙橋さん、吉田さんも、あっさりクリアーした。唯一、惜しいところで失敗した佐藤さんも、番外編では見事クリアーした。

想像するに、AKBのメンバーたちは、地あたまの良さに加え、タレントとしての経験値が高いのだろう。いわゆる場数を踏んでおり、様々なハードルを乗り越えてきたのだろう。AKBゆえにチャンスが多いのも事実だろうが、それを生かせるメンバーだからこそ、AKBなのだろう。髙橋さんと吉田さんのニュース読みは、筆者が記憶する限り、最も上手いアイドルの読み手だったと言える。聞けば髙橋さんは、プロのアナウンサーが使う「アクセント辞典」なるものを購入し、発音など勉強しているという。さすがAKBである。

AKBメンバーと過ごした6月、日本のアイドル業界を引っ張るAKBは、やはりすごかったと、再認識した1か月だった。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)


栗林さみ,鈴木亮

お知らせ

お知らせ一覧